0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「突然炎のごとく」

突然炎のごとく [DVD]突然炎のごとく [DVD]
(2003/12/19)
坂上香織、山本太郎 他

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井筒和幸「突然炎のごとく」再見、

恋人の山本太郎との性的関係だけで生きているような坂上香織だったが、ある時年上の小木茂光と知り合い、今までにない感覚から小木にのめり込んでいく。

山本は焦るが坂上の気持ちは変わらなかった。

しかし小木にも恋人がいたため、坂上の気持ちはさらに揺れ動いていく。





井筒和幸が監督復活した作品。

しかし作風は豪放なものではなく、音楽のないモノクロ映像の美しさが映える、トリュフォー映画と同タイトルなようにヌーヴァルヴァーグとにっかつロマンポルノが合体したような内容と作風の映画で、いい意味で井筒作品らしくない味わいの作品である。

この映画で長い暗黒不遇時代から監督復活したので、公開当時はこれが復活後の新生・井筒和幸の作風なのかと思い、この路線はこの路線で悪くないなと思ったものだが、やはり井筒の完全復活作品はこの後の「岸和田少年愚連隊」であり、以後はかっての井筒らしさを取り戻した作風となっていったが、こういう繊細な心理を丁寧に掬い取る作風も悪くなく、秀作「のど自慢」もそちら側の作品だろうが、こちらは井筒作品らしい人情味とは違う、もっとクールなタッチが感じられるもので井筒作品中では異色作な方だろう。

坂上香織は好演しているし、小木茂光も揺れ動く少女・坂上に対峙する大人の男役をモノクロ映像も相俟ってクールに好演していて、中々いい味を出している。

井筒作品としては異色なテイストに思える佳作な一篇。


突然炎のごとく [DVD]突然炎のごとく [DVD]
(2000/01/19)
ジャンヌ・モロー、オスカー・ウェルナー 他

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2014/01/24(金) 14:26:59 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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