0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ゲンセンカン主人」


石井輝男「ゲンセンカン主人」再見、

【映画チラシ】ゲンセンカン主人【映画チラシ】ゲンセンカン主人
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チラシ

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つげ義春の「ゲンセンカン主人」「赤い花」「李さん一家」「池袋百点満点」を映画化したオムニバス映画。

この後石井輝男はさらにつげ義春やつげ忠男作品を映画化していくのだが、これはその最初の作品だからか随分手堅く作っている。

どの作品もまるで東映プログラムピクチャーとして仕事でつげを映画化したかのような手堅さで作られている。

とは言えこのプログラムピクチャーっぽさが逆に、すでにこの映画が作られた90年代にはプログラムピクチャー自体が絶滅していたので、言わばその時代錯誤な作風がそのまま変なノスタルジーを煽らずとも無理なくつげ作品が描かれた昭和の時代をそのまま表象してしまっていて悪くない。

言わば時代錯誤なタッチがそのままつげ世界を体現してしているような。(とは言え出来は少々堅すぎるとは思うが)


また横山あきおの李さんそのままぶりや、岡田奈々なども役に合っているし、つげ役の佐野史郎も最後の力みかえった芝居は余計だが、まあ石井輝男世界にもつげの世界にも合っていてこちらも悪くない。

どの作品も石井輝男が飛ばしまくった感じではなく、そういう作風の復活は次の「無頼平野」や「ねじ式」まで待たなくてはならないが、その手堅い時代錯誤なプログラムピクチャータッチで撮ったことが逆に中々よいとも言える一篇。


つげ義春ワールド ゲンセンカン主人 [VHS]つげ義春ワールド ゲンセンカン主人 [VHS]
(1994/02/25)
石井輝男、佐野史郎 他

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ゲンセンカン主人―つげ義春作品集 (アクション・コミックス)ゲンセンカン主人―つげ義春作品集 (アクション・コミックス)
(1992/11)
つげ 義春

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2013/12/27(金) 13:53:17 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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