0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「家族生活」

 
家族生活 [VHS]家族生活 [VHS]
(1990/11/09)
サミ・フレイ、マラ・ゴイエ 他

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 ジャック・ドワイヨン「家族生活」再見、

 サミー・フレーの父と娘は複雑な親子関係にあったが、二人で車で旅をする。

 最初は会話が噛み合わずうまく行かない父娘だが、車での旅を通じて徐々にお互いを理解し始める。





 あくまで車で旅をする父娘が走行中に会話するシーンをメインに描いた父娘のロードムービー。

 音楽もなく、無駄なものを剥ぎ取り、ひたすら車の旅による映画の運動感に溢れ返った中で、父娘の人間ドラマが会話メインで描かれていくシンプルさが映画原理を剥き出しにしたような見事さで描かれていて、映画としても父娘のドラマとしても、またロードムービーとしても絶妙によく出来た映画である。

 これほど余計なことをやらず、実に無駄なくロードムービー的な映画の運動感に満ち溢れた映画原理的な作品も珍しいし、またヌーベルヴァーグ系作品の中でもまさにヌーベルヴァーグ精神の真髄の顕現のような秀逸な作品である。

 恋人同士のような父娘の会話、しかしやはり父と娘の親子である微妙な関係の中、お互いがお互いを徐々に理解し合っていく姿をドキュメンタリーに近いリアルさで撮り上げていて実に素晴らしい。

 ジャック・ドワイヨンの隠れた最高傑作であり、ヌーベルヴァーグ魂の真髄のような得難い傑作の一篇。

2013/11/24(日) 13:57:39 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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