0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ポケットいっぱいの涙」

ポケットいっぱいの涙 -Menace II Society- [DVD]ポケットいっぱいの涙 -Menace II Society- [DVD]
(2010/12/22)
タイリン・ターナー、ラレンズ・テイト 他

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 アレン&アルバート・ヒューズ「ポケットいっぱいの涙」再見、

 スラム育ちの少年は周りの劣悪な環境の悪さから麻薬のディーラーをやっていたが、クリスチャンの祖母に育てられたのでなんとか高校は卒業する。

 しかしその後はお決まりのギャングの抗争、暴力、犯罪に巻き込まれていく。




 今では「フロム・ヘル」や「ザ・ウォーカー」などのメジャー系監督になったヒューズ兄弟の初期の低予算暴力映画。

 いくら何でもヌルすぎるというかまるで牧歌的な児童教育映画みたいな邦題がつけられてるのが可哀相すぎるが(苦笑)、中身はタイトルとは真逆のリアルな暴力と犯罪に満ちたサウスセントラル地区のスラム街の生々しい犯罪実態を描いた映画である。

 しかしこの手の映画は意外と無理に商売にしようとしてヒップホップ的にしすぎたり、やたらに短絡なスラム街映画になりがちだが、この映画は痛々しい青春映画と非情な暴力映画の合間をダイレクトに描いた秀作になっている。

 色んな暴力シーンが民族問題的に賛否両論になったりもしているが、それだけインパクトとリアルさがある映画ということであり、痛々しい青春映画としてもリアルなゲットーの犯罪ドキュメント的な犯罪映画としても、また非情な現実を描いた映画としてもわりとよく出来ている。

邦題の可哀相なぐらいのヌルさは惜しまれるが(苦笑)映画自体は、多くの黒人ギャング映画の中でも出色な出来の一篇。
2013/11/12(火) 13:55:32 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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