0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「共犯者」

 きうちかずひろ「共犯者」再見、

 8年前、日本のヤクザの組を壊滅寸前に追い込んだブラジリアン・マフィアのカルロス=竹中直人は、ブラジルへの移送を偽してムショを出てヤクザ組織との決着をつけようとする。

 だがたまたま立ち寄った蕎麦屋でパートの人妻・小泉今日子をDV夫から救ったことで行動を共にする。

 その頃、かって竹中に撃たれて廃人同然になっている成瀬正孝が組から一億円を奪っていた。

 それは組の不当な扱いへの報復だったが、成瀬は金と子分を竹中に託す。



 

 漫画家、作家としても活躍するきうちかずひろのノワール犯罪映画。

 東映Vシネマの竹中主演の「カルロス」の続編だが、こちらのほうは随分と作品の規模を拡大して劇場公開された。

 きうち監督は漫画描かせれば「ビー・バップ・ハイスクール」で大ブレイク、映画を作らせれば「鉄と鉛」や「JOKer」のようなハードボイルド・ノワール活劇の秀作を撮り、小説を書かせれば「藁の盾」「水の中の犬」ほかの興味深い作品を書き、いわば何をやらせても水準以上のものを作る人だが、この映画はシリーズ二作目で規模を大きくしすぎたからか、イマイチパッとしない出来で、竹中にも前作ほどの生っぽさが出てないし、小泉今日子もまだ芝居が固い感じがする。

 それでもそう悪い映画という感じでもないのだが、途中に登場する殺し屋兄弟の兄役・内田裕也が結局映画を滅茶苦茶にしてしまっている。(苦笑)

セリフをイチイチ日本語&英語で話すというのが裕也ギャグにしか見えず、結構真摯にハードボイルドノワール映画を作ろうときうち監督は頑張っているのに、その苦労を裕也ギャグが全て台無しにしている。(笑)

もっとも内田裕也を楽しむ視線で見れば、この裕也ギャグはいかにもこの人らしくて面白いのだが、まともに映画を作ろうと思ってる側からしたらこれはたまったものではない気もする。(苦笑)

脇役時代の北村一輝も悪くないし題材だって悪くないのだが、結局どうにもイマイチな映画になってしまっている一篇。


カルロス [VHS]カルロス [VHS]
(1991/01/25)
竹中直人、チャック・ウィルソン 他

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2013/11/08(金) 13:22:59 東映 トラックバック:0 コメント(-)

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