0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「友だちのうちはどこ?」

 
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(2001/09/21)
ババク・アハマッドプール、アハマッド・アハマッドプール 他

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 アッバス・キアロスタミ「友だちのうちはどこ?」再見、

 イラン北部のコケールという村の小学校で、少年は先生に宿題をノートではない紙に書いてきて叱られ、今度やったら退学だと言われる。

 だが学校が終わると、その少年のノートを友だちが持って帰ってしまい、このままではノートに宿題を書けないので退学になってしまうので友だちの少年はノートを返しに行こうとする。

 だがその友達の家がわからない。



 

 キアロスミの子供を使ったイラン映画。

 プロの役者を使わず、ロベール・ブレッソン的に素人役者の無垢な表情を撮りつつ、そこでタイムリミットのある状況で友だちにノートを渡さなければならないサスペンスと無垢な少年の良心を描いている。

 キアロスミはその無垢な表情や現在形のアクションの連続、というところに映画的極まりない魅力を見せていていわば究極の映画を撮る人だが、そこに少年の良心やかなり理解のない大人の状況、長閑な田舎だが不便極まりない田舎の現状という社会的なものまで描いていて、日本で言えばよく言われたように清水宏映画に匹敵するだろうし、東映児童映画の傑作も想起させる。

 イランの少年の無垢な可愛らしさが女性に受けて日本で人気映画になったようなところもあるが、ブレッソン映画的な究極の映画である上に、そこにサスペンス映画と社会派映画と児童映画の魅力が重なっている、かなりの傑作である一篇。
2013/10/25(金) 13:51:37 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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