0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「密殺集団」

 
密殺集団 [DVD]密殺集団 [DVD]
(2009/07/03)
シャロン・グレス、ヤフェット・コットー 他

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 ピーター・ハイアムズ「密殺集団」再見、

 法律学校を優秀な成績で卒業してから判事となったマイケル・ダグラスは正義漢で理想主義者だったが、法を信じるあまり証拠不十分だと凶悪犯だろうと釈放していた。

 だがある連続殺人事件に接し、法律が凶悪犯人の味方をしているのではと思うようになる。

 その後マイケルは同じ悩みを持つ判事たちによる、一度は無罪になった凶悪犯たちを惨殺している「私設裁判」の組織があることを知りそれに参加していく。

 だがこの私設裁判が大きな誤りを犯したことを知ったマイケルは刑の執行を止めようとするが・・・。





 裁判制度を題材にした社会派アクション映画。

 ピーター・ハイアムズお得意の題材だが、さすがにキビキビと展開していくアクションタッチとサスペンスタッチは出色で、実に面白く見られる。

 封切りで見た時はペキンパーの遺作の同時上映だったが、社会や裁判制度の矛盾を突いた社会派的な内容とよくできたサスペンスアクションの充実した融合に「特捜最前線」の傑作エピソードを想起させるものである。

 マイケル・ダグラスが正義に燃えるがゆえに法を守ろう、冤罪を作るまいとする態度と犯罪者が法の抜け道を利用していることへの懐疑に揺れていくところには今も解決していない現実の法律に関する問題点が出ているし、映画自体そのことをシニカルかつ意味深に掘り下げて活劇映画にしている。
 
 冤罪と法律を悪用する犯罪者の構図は今もあんまり変わっていないように思える。

 冤罪を騒ぐマスコミを利用する犯罪者もいるだろうし、本当に冤罪なのにそのまま処罰されてしまう者もいるだろうし、犯罪を犯しているのにそれを隠ぺいして無罪放免になっている者もいるだろう。

 この確定できないことに判事が悩むということは今でも現実にあり続けるだろうから、この映画はいつまでもリアルである部分を巧くサスペンス活劇にした秀作だと思う。

 ピーター・ハイアムズの手腕が冴える傑作な一篇。
2013/09/27(金) 13:56:17 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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