0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「プレイタイム」

 
プレイタイム ( 新世紀修復版 ) [DVD]プレイタイム ( 新世紀修復版 ) [DVD]
(2004/02/27)
ジャック・タチ、バルバラ・デネック 他

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 ジャック・タチ「プレイタイム」再見、

 近未来のパリにやって来たジャック・タチ=ユロはミラー張りの高層ビルが立ち並ぶ街を歩き回るがそこでアメリカの観光客と何度か出くわす。

 そしてアメリカ女性の娘とまた出くわしたユロはダンスを一緒に踊る。







 ジャック・タチが大金注ぎ込んだが見事にコケた異様な超大作。

 とは言え映画自体興行的に惨敗しジャック・タチは破産したものの実に魅力溢れる映画である。

 まあ70ミリでこれを撮ったのは当時としては近未来的なモダン建築が並ぶ近未来的光景に満ちたSF喜劇映画を撮りたかったからかもしれぬが、はっきり言ってそんな大金かけた部分よりジャック・タチ的なパントマイムギャグの不思議なニュアンスとシュール感ばかりが印象に残る映画である。

 破産するほど金かけることもなかったようにも思う映画だが、それでもよくある失敗しただけのどうしようもない超大作とは一線を画したサイレント映画的な味わいすら感じられる映画になっている。

 ジャック・タチ独特の視線が合ったまましばらく見知らぬ者たちが見合うシーンの奇妙さはやはり可笑しく、この奇妙なニュアンスギャグを莫大な金かけて作ったところにジャック・タチらしさがあるようにも思う。

 何故ならジャック・タチ映画は他の映画でもこの不思議にシュールな間合いが一番笑えるところだし、それはかってのサイレント喜劇映画を不思議に差異化ー脱臼させたような面白さで、それを執拗に繰り返すところがまた独特である。

 サントラはいつもいいが、この映画のサントラもとても良く、映画自体ちゃんとジャック・タチらしいものになっている愛すべき一篇。

2013/09/01(日) 13:24:30 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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