0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「わが愛の譜 滝廉太郎物語」

 
わが愛の譜 滝廉太郎物語 [DVD]わが愛の譜 滝廉太郎物語 [DVD]
(2008/03/21)
風間トオル、鷲尾いさ子 他

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 澤井信一郎「わが愛の譜 滝廉太郎物語」再見、

 滝廉太郎=風間トオルは東京音楽学校でピアニストを目指していたが、生来の体の弱さから大分の実家に帰る。

 世話をする女中は廉太郎が好きだったが、音楽の世界がわからないことに距離感を感じていた。

 やがて復学した廉太郎は作曲の才能を開花させるが、ドイツへ行って自らの限界を知る。



 滝廉太郎没後90周年を記念して作られた伝記映画。

 こんな題材を他の監督が撮ったなら馬鹿馬鹿しくて見ようとも思わんが監督が古典派、澤井信一郎とくればまたまた古いつまらない企画をさらに古く時代錯誤に撮って往年の正統派映画に仕上げる可能性も無きにしもあらずだなと思い、封切り時には確か初日に見に行ったのだが、残念ながらこれはそううまくは行かず、どうにももたついたチグハグな映画になってしまっている。

 今はまあバイプレイヤーとしていい味を出すようになった若き風間トオルがただでさえまだ芝居がうまくない上に、実に真面目臭いキャラを台詞棒読みで演じており、思わずナめてるのかと言いたくなるような演出とヘタクソな芝居の連続だったりする。(苦笑)

 確かに映像的な品格にはダグラス・サークばりのものがあり美しい映画的ショットも多いのだが、しかしながら話の展開のわざとらしさ、風間の稚拙な芝居、恋愛描写の田舎芝居のような退屈さなどなど問題点は山ほどありどうにも芳しくない出来である。

 おまけに展開がもたついているので、本腰入れずに作ってるのかよと言いたくなってくる映画である。(苦笑)

 まあ本腰入れてないわけではなく、澤井独特の古典映画的魅惑は画面に溢れているのだが、しかし何と言ってもこれだけ役者の芝居が酷く、もたついたタッチで撮られ、映画自体がまるで面白くないようでは、いかな澤井作品と言えどもどうしようもなく、どうにも色々とイマイチなところがある映画である。

 そんな芳しくない出来の一篇。

2013/07/19(金) 12:36:09 東映 トラックバック:0 コメント(-)

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