0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「女地獄 森は濡れた」

 
女地獄 森は濡れた [DVD]女地獄 森は濡れた [DVD]
(2002/11/22)
不明

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 神代辰巳「女地獄 森は濡れた」再見、

 大正時代に米騒動が起こっていた頃、伊佐山ひろ子は、彼女の主人が米騒動に巻き込まれて殺され、逃げていた。

 その伊佐山を尾行する車があり、中にはホテルの女主人・中川梨絵が乗っていた。

 中川は伊佐山をホテルに招くが、実は森の奥深くにあるそのホテルは、セックスと暴力で人間を飼育する館だった。

 ホテルの男主人・山谷初男は伊佐山を調教し出す。



 

 日活ロマンポルノの、マルキ・ド・サド原作を映画化したホラー的な作品。

 当時警察に猥褻映画として挙げられ、その後映倫の再審査もされなかったので劇場公開はもう無理・・・と昔は言われた作品である。

 若松孝二映画で倒錯設定が似合っていた山谷もいい味わいだが、中川梨絵が実に怪しい美しさを見せ怪演している。

 設定は今となってはこの手のエロ系は量産されているので目新しくないが、原作を大正時代に置き換えたことが功を奏して、大正デカダンスと日活インモラルとサド的世界の絶妙な融合ワールドが独特の気配を醸しだし、それを神代映画的魅惑で覆っているので映画自体が独特の世界になっている。

 快楽が全てという悪徳の側と、それに対抗する伊佐山のモラルの対峙が描かれるが、映画自体は快楽至上世界の異様さを十分に体現しているので臨場感が出ている。

 森の中のホテルという描写にも奇妙な味わいがよく出ていてカルト的魅惑に溢れている秀作な一篇。


2013/07/09(火) 13:57:04 日活 トラックバック:0 コメント(-)

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