0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「月曜日のユカ」

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(2011/10/04)
加賀まりこ、加藤武 他

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 中平康「月曜日のユカ」再見、

加賀まりこは外人クラブ界隈では誰とでも寝る女として有名で、いつも世界中の男をみんな幸せにしたいと言っていた。

パパ=加藤武と恋人の中尾彬がいる加賀だが、ある時パパを尾行するとパパは実の娘にお人形を買ってやり喜んでいる姿を見る。

その後中尾と関係したり他の男と寝たりする加賀だが、自分もパパにお人形を買ってもらって喜んでもらうとか言い出す。






中平康のシュールタッチがお洒落と言われ、ファッション界で人気の映画。

ファッション界で人気なのは加賀まりこの存在感がいかにもその手には受けそうな感じだからでもあり、まあ和製ブリジット・バルドー的なコケテッシュさとして受け入れられているのだろう。

それと岡崎京子の世界と重なるセンスも映画にはあり、岡崎全盛期にこの映画も少し一部で再ブレイクしていた。

しかし中平康がかなりシュールなタッチで描くから様になってるだけで、こんな加賀まりこみたいな女が現実いたら、こりゃ逝ってる女だなとまず思うだろうな。(苦笑)

世界中の男を幸せにしたいと言いつつ、やってることは献身的というよりは自分の勝手でヘンテコな欲望しか見てない感じだし、幸せにするどころかまるでファムファタールのように加賀に深く関わった男は結局みんな死んでしまう。

加藤武のパパへの入れあげようはまるでファザコン女の典型のようだし、そのファザコンの心の隙間を埋めるために周りの男は存在してるだけなのに、男をみんな喜ばせたいとか言ってて結局不幸にしているのである。

確かに加賀も加藤の商取引のために他の男と寝ることにもなるが、どうもこの加賀は自分の心の穴にしか目が行っていないような感じがする。

そ んな女を主役にした映画がオシャレ映画と持て囃され、こんな異様な加賀に憧れてる奴が結構いるのだが、ほとんど狂人と紙一重のところにいる女に何を憧れてんだよとは正直思う。(苦笑)

この日本のファッショナブル映画の内実は実際にはそんな感じじゃないかと思うのだが、やはり加賀まりこと中平康のベストマッチが映画を魅惑的なものにしているということだろう。

ピチカート・ファイヴの小西康陽がこの映画が好きなのはよくわかるし、ピチカート的世界とも重なる映画だろう。

まあ中平らしい異色作にはなっているのだが、それにしても確かに独特の哀感のある女として描いてはいるけれども、随分歪な、結局自分の心の穴しか見てないような相当逝ってる不思議ちゃん系女を描いた映画だなとはやはり思う一篇。

2013/07/05(金) 13:43:43 日活 トラックバック:0 コメント(-)

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