0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「紅の流れ星」

紅の流れ星 [DVD]紅の流れ星 [DVD]
(2013/08/02)
渡哲也、浅丘ルリ子 他

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  舛田利雄「紅の流れ星」再見、

渡哲也はヤクザの組長を殺して逃亡し、神戸の組の用心棒をやって楽しく生きていたが、渡を疑う刑事や殺した組長の子分からの報復を警戒していた。

ある時宝石商の彼女だという浅丘ルリ子が渡を訪ねてきて、渡は一緒に宝石商を捜すが、徐々に浅丘に恋愛感情を持つようになる。




日活アクションの軽妙な一作。

何といってもこの映画はゴダールの「勝手にしやがれ」の随分影響大な映画だと思う。

渡の調子のいい飄々としたキャラはジャン・ポール・ベルモンド風だし浅丘ルリ子もジーン・セバーグ的な謎めいている上にちょっと変わった感じのクールビューティー役で、その軽妙なタッチや終わり方からして、まさに「勝手にしやがれ」を日活プログラムピクチャーでやってしまった感満々である。

しかしゴダールはだいたい元々ハリウッド50年代のB級犯罪映画とロベルト・ロッセリーニ映画をベースに「勝手にしやがれ」を撮ったのだから、こちらは言わばB級犯罪映画側からの返歌のような「勝手にしやがれ」リスペクト作とも言える。

だがこの映画が「勝手にしやがれ」のパクリという次元で終わっていないのは、やはりやたらとベラベラ喋り軽妙な渡哲也とツンデレチックな浅丘ルリ子のスカした感じの歩きながらの会話シーンの絶妙さ故であり、そのダイアログのテンポとリズム感と息の合ったやりとりの素晴らしさは本家「勝手にしやがれ」以上である。

だいたいこんな渡哲也の演技も珍しいしそのハマりぶりも半端ない上、浅丘ルリ子も超オハコなツンデレ・クールビューティー演技を披露している感じである。

日活アクションには確かに軽妙なアクション喜劇は一杯あるが、ここまでセンス溢れる小気味いい男女のダイアログの掛け合いの魅力とリズム感が描かれた映画も稀なだけに、未だ古びず面白く見られる一篇。
2013/06/29(土) 13:38:31 日活 トラックバック:0 コメント(-)

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