0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「新女囚さそり 特殊房X」

新・女囚さそり 特殊房X 【DVD】新・女囚さそり 特殊房X 【DVD】
(2011/03/21)
夏樹陽子、舘ひろし 他

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小平裕「新女囚さそり 特殊房X」再見、

松川ナミ=夏樹陽子は看護婦をしていたが、恋人の医師が院長の悪事を掴んで殺された後、証拠隠滅のため暴行され精神病院に入れられる。

そこの所長は議員となった院長の子分のようになっていたが、嫌っていた看守の地井武男と夏樹を手錠で繋ぐ。

その後二人は脱走するがそれをライフルの腕のいい舘ひろしが追撃してくる。







夏樹陽子=松川ナミのさそりシリーズの一作。

夏樹陽子は今でも60になっても若々しく艶のある女優であり続けているしこの頃も中々良かったが、映画自体は梶芽衣子=さそりバージョンの作品には遠くおよばない出来である。

わかりきった定番設定の中で悪役の舘ひろしはうめいて追いかけるだけだし、手錠で繋がれた地井と夏樹の荒れた砂山などでの逃亡描写も直線的すぎてどうにも浅い描写である。

なんだか単細胞な出来すぎるところがイマイチだが、この手錠で繋がれた地井と夏樹は看守と囚人という関係なので敵対しているわけだが、しかしまだ新人だった夏樹に撮影現場で一番気を使い親切にしてくれたのが地井武男だったので、夏樹は地井を睨みつける芝居がどうしても出来なかったらしい。

またこの時期ではないかもしれぬが夏樹と悪役、舘ひろしは過去に付き合っていたらしいから、なんだか仲のいいもの同士で随分と殺伐とした映画を作ったもんだなという感じはする。(苦笑)

監督と夏樹はこの手の映画に付き物の脱ぐの脱がないので散々揉めたらしいが、その意味では夏樹はデビュー作「空手バカ一代」におけるSM映画以上にグリングリンに拷問されまくるシーンの体当たり演技の方が迫力がある。(夏樹自身、このグリングリン拷問シーンを乗り切ったことで女優としての自信がついたらしい)

まあ二代目さそりの多岐川裕美バージョンのさそり映画よりは感じが出ているが、映画自体が妙に短絡な感じがするところがイマイチである一篇。
2013/06/25(火) 13:33:39 東映 トラックバック:0 コメント(-)

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