0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「Mr.オセロマン~二つの頭を持つ男~」

リー・フロスト「Mr.オセロマン~二つの頭を持つ男~」再見、

レイ・ミランドの老いた科学者はもう余命幾ばくもない我が身を知り、自分の首を他の人間の身体に移植させる。

だが相手は巨漢の黒人で白と黒の二つの頭に一つの身体という状態となり、二つの頭は絶えずいがみ合い、罵り合いを繰り返す。






一つの身体に白と黒の二つの頭がくっつき、絶えず罵り合いの珍道中を繰り返す間抜け極まる笑激のホラー映画。

この映画、最初に見たのはローカル局のテレビ放送でタイトルは「双頭の男」となっていたが、タイトルからしてクトゥルー的な怪奇映画かと思っていたら、白人レイ・ミランドの頭が巨漢の黒人の身体に移植されて罵り合いを 始めたところから完璧なコメディ映画になってしまい、そのオセロマンよろしく(いいタイトルに変えたな。苦笑)白と黒の顔の罵り合いの絵図がコント以外の何物をも想起させないものになっていき、最後まで延々大笑いして見た覚えがある。

身体を白と黒のどっちが主導権を握るかという展開にだんだんなってくると、負けた方は気絶してしまうんだが、その唐突な気絶の仕方の間抜けさ加減があまりに素晴らしく(笑)、黒人はひたすら急に熟睡する感じで寝てしまうし(苦笑)、レイ・ミランドも大真面目で気難しい顔からいきなり気を失う時の表情があまりにコントすぎて、まあこの映画は何度見ても実に楽しい。

後半怪しい怪物、オセロマンとして追撃されたりするシーンになると、また白と黒の頭が逃避行の珍道中で逃げ回りながら派手ないがみ合い、罵り合いを開始し、その間抜け極まる相貌はひたすら笑いながらしか見てはいられない。(苦笑)

ある意味、奇跡の怪物映画である。

「首だけ女の恐怖」というチャチで安い映画もかってあったが、しかしここまでおかしな映画ではなかったし、こんな映画を「失われた週末」でアカデミー賞受賞経験のあるレイ・ミランドが大真面目に熱演している姿は感動的ですらある。(笑)


このオセロマンの造形はリック・ベイカーらしいがとても真面目に作ったとは思えない。
ラストシーンでは黒人が野天気に「オー、ハッピーデイ♪」と歌って、急に取ってつけたような超ハッピーエンドで終わってしまうところまで間抜けさ加減が徹底している。

随分前にワゴンセールで中古ビデオを購入してから何度か見ているが、何度見ても笑わせてくれる、実に愛すべき一篇。


Mr.オセロマン [VHS]Mr.オセロマン [VHS]
(1987/12/26)
レイ・ミランド

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(2011/02/16)
レイ・ミランド、ジェーン・ワイマン 他

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レイ・ミランド、ダイアナ・ヴァン・ダー・ヴリス 他

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2013/06/19(水) 13:59:29 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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