0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ステート・オブ・グレース」

ステート・オブ・グレース [DVD]ステート・オブ・グレース [DVD]
(2008/10/10)
ショーン・ペン、エド・ハリス 他

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フィル・ジョアノー「ステート・オブ・グレース」再見、

ショーン・ペンはかってはニューヨークの無法地帯・ヘルスキッチンの悪党だった。

ある殺人事件以降この土地を離れていたが、ある時戻ってくる。

そこは今やエド・ハリスの一家が仕切っていたが、ペンはかっての友人でエドの弟、ゲイリー・オールドマンと再会しかって恋人だった女性とも会う。

そこでペンはエドの一家に入り悪事の片棒を担ぐが、実は彼はアンダーカバーの潜入捜査官だった。

その後オールドマンの友人が殺されその報復にオールドマンも殺人を犯すが、そこには組織間の裏の事情があった。






今や名優になっている味のある役者陣が若い頃共演したアンダーカバー・ギャング映画。

ショーン・ペンが刑事にも悪党にも両方似合うので役にはピッタリ合っている。

しかしこの映画はやはり、若きゲイリー・オールドマンの映画である。

言わばニューヨーク版「ランブルフィッシュ」のような映画で、それでいてショーン・ペンとゲイリー・オールドマンのコンビは「傷だらけの天使」のショーケンと水谷豊みたいだったりする。

特に友人が殺されて教会で泣いているオールドマンが、泣いてるのにその姿が妙にカッコいいのが出色である。

言わばニューヨークのアイリッシュギャングとイタリアンマフィアが交錯する、暗黒無法地帯のアウトローどもの友情が描かれた映画だが、しかし実際にはペンは潜入刑事ではなから裏切り者だし、エド・ハリスは邪魔者はどんどん殺していくので友情とは真逆の非情なお話でもある。

だがそこでの、オールドマンの焦点の定まらない視線と軟体動物みたいな動作、挙動不審そのものみたいな行動があまりにいいので、絡むペンやエドもいい感じに見えてくるのである。

結局オールドマンは悲惨な末路を遂げ、終盤はまあ淡々としたタッチで読めてる展開通りに進んで終わっていくが、この淡々とした終盤もわりといい。

今ほどの知名度がない頃のショーン・ペン、ゲイリー・オールドマン、エド・ハリス、ジョン・タウトゥーロ他などが出てエンニオ・モリコーネがサントラで盛り上げているアンダーカバー犯罪映画だが、やはり若きゲイリー・オールドマン中心にうまくまとまっているところがよい、秀作な一篇。
2013/06/14(金) 13:40:01 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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