0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「空がこんなに青いわけがない」

空がこんなに青いわけがない [DVD]空がこんなに青いわけがない [DVD]
(2001/12/21)
三浦友和、夏川結衣 他

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柄本明「空がこんなに青いわけがない」再見、

三浦友和のサラリーマンは会社のOLと不倫している冴えない男だった。

妻は家をマンションにすると物置小屋を整理していたが母はボケており、息子は物置小屋で漆まみれになる。





柄本明が監督し相米慎二がプロデュースしたシニカル喜劇映画。

シニカルな視点と独特な感覚の笑いのセンスが微妙に出ていて個人的にはかなり面白い映画である。

とは言えこの映画の微妙なニュアンスのおかしみは当時やはり万人にはわかられなかったようで、まあハマる人とそうでない人に別れるようだ。

何気ないサラリーマンの日常を微妙なシニカルさとブラックユーモアセンスで実に微妙に描いているので、この微妙さに無感覚な者には単なる地味な喜劇に見えるようだ。

しかしこの微妙なおかしみが好きな自分にとっては、随所に日常が脱臼し続ける面白さがあって、まあ傑作とまでは言わないが、中々楽しい佳作な映画である。

三浦友和がわりと好演しているが、なんと言っても秀逸なのは、遠くから屋上に飛んでくる巨大な鉄人28号のハリボテ風船みたいなのの可笑しさで、これが屋上の三浦友和を落下してきて押し潰すシーンには何度見ても大笑いさせられる。

このシーンは個人的には世界喜劇映画史上に残るものだと思う。

これだけの映画センスと笑いのセンスを見せて、どこか今の三木聡の先駆みたいな映画を撮っているのに柄本明はその後映画監督をやっていないが、ご本人はこれは失敗だったと思っているようで、もう二度と映画監督はやらないと宣言している。

しかし、この映画の随所に出ている色々なセンスが好きな自分には、それがちょっと残念ではある一篇。

2013/06/10(月) 12:58:42 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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