0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「800 TWO LAP RUNNERS」

 
800 TWO LAP RUNNERS [DVD]800 TWO LAP RUNNERS [DVD]
(2002/05/24)
松岡俊介、野村祐人 他

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 廣木隆一「800 TWO LAP RUNNERS」再見、

 野村祐人はすっとぼけた男だったが何気に自己流でトラック2周の800メートルを走ってかなりの好成績を出す。

 ライバルのエリート、松岡俊介も頑張っていたが、かって同性愛の関係にあったが自殺した青年の彼女が松岡に寄ってくる。

 野村はその頃ある陸上女子に惚れていた。







 陸上競技をめぐる青春映画。

 なんと言ってもこの映画は廣木隆一の長回しの決まりぶりと野村祐人である。

 この映画の野村祐人のなんとも人を食ったような飄々とした魅力はやはり最高である。

 それを絶妙な長回し描写で切り取った廣木隆一の映画としての味わいと醍醐味、演出が実に決まっていて秀逸すぎる出来である。

 野村はこの後竹内力の事務所にいて中々Vシネマなどでも好演していたが、やはりこの初期の見事な好演は日本映画史に残るものだろう。

 また青春映画として実に独特の味わいを出しつつ長回し描写もとことん決めまくったこの映画の廣木隆一の絶妙さも、後の廣木の傑作群が未だ追いつかぬ魅力を湛えている。

 普通このぐらい映画作家がやりたいように技法=長回しに執着しまくると、ドラマ自体が破損したり映画自体に亀裂が生じまくるものだが、その一歩手前のギリギリのところに踏みとどまっているので、青春映画としても生々しく映画としても鮮度のあるものになったように思う。

 そんな役者の魅力も映画としての魅力も絶妙すぎる秀作な一篇。
2013/06/03(月) 12:38:19 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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