0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「蜘蛛女」

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(2010/05/21)
ゲイリー・オールドマン、レナ・オリン 他

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ピーター・メダック「蜘蛛女」再見、

ゲーリー・オールドマンの刑事は悪徳刑事でマフィアから賄賂をもらい、ジュリエット・ルイスの妻がいるのにアナベラ・シオラの愛人までいて退廃的な生活を謳歌していた。

ある時マフィアの女殺し屋、レナ・オリンを護送する任務につくオールドマンだが、マフィアのボス、ロイ・シェイダーすら持て余す悪女のレナに誘惑され逃走の段取りをつけさせられるが、そこから徐々にオールドマンは破滅の道を行くことになる。




一人の悪女にどん底に叩きつけられる男を描いたノワール活劇映画。

この映画の頃は悪徳警官ものが際立ちアベル・フェラーラの大傑作「バッド・ルーテナント」もこの頃で、確か「バッド・ルーテナント」を見に行ったら同時上映がこの映画で、封切り時にも見ていたので再見となった覚えがある。

言わばノワール映画の典型の悪女に破滅させられる男を描いた映画だが、悪女役のレナ・オリンはモンスター的な悪女キャラにして凶暴なバイオレンス女王様のようで、言わばオールドマンはこの凶暴女王様のような悪女にSM調教されるかのように罠にはめられ襲いかかられて破滅していく。

だらしない快楽生活を送っていた男が破滅していくお話は公開時が日本ではバブル崩壊期だったのでリアルさが感じられ、そのオールドマンの凋落人生はまるで下降し堕ちて沈んでいく日本の暗喩にも当時見え、中々現実とリンクした凋落にかなりリアルな臨場感を感じたものだった。

レナ・オリンは勿論好演しているが主役のゲーリー・オールドマンもただれた快楽生活から凋落していく刑事役をリアルに体現していて、映画自体にも退廃、凋落ムードが絶望的に漂っていて悪くない。

傑作とまでは言わないが、時代の崩壊ムードと凋落の暗黒感が映画全体に漂い、中々佳作な一篇。
2013/06/01(土) 13:34:07 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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