0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「天下の快男児 突進太郎」

小林恒夫「天下の快男児 突進太郎」、

高倉健はある下着会社の女性の下着デザイナーの職に就こうとするが面接では散々笑われたのに何かの間違いで採用通知をもらう。

しかし会社に行くと間違いだから帰れと岡田真澄に言われるが、頭にきた健さんは社内で喧嘩してやたら強い腕力を見せると社長の久保菜穂子は健さんを採用にしてしまう。

岡田らは不満を抱え健さんに辛く当たるが体罰をしようとして逆に健さんに叩きのめされてしまう。




健さんが下着デザイナーになる天下の快男児シリーズの一作。

どう見てもランジェリーのデザイナーという柄ではない武骨な健さんが何故か採用されうまく行く話だが、結局全て腕力で成功していくような話で、女社長や周りの女性に好かれるのも結局健さんが男前だからであり、海外の女性デザイナーが健さんにだけ最新のランジェリーデザインを教えたのもやはり健さんが男前だからである。

だからつまりこの映画、一見武骨でおよそランジェリーデザイナーとは水と油に見えた健さんが真面目かつ地道に努力してうまくやっていく話でもなんでもなく、デザイナーとしてのセンスなんか全くないし努力すらしないけど、ルックスだけいい男が女にモテモテゆえに成功してしまう話でしかなく、善玉がそんな程度のキャラでいいのかよとも思える。

確かに悪役の岡田真澄は嫌な奴だが、しかしファッションセンスとかデザイナーセンスという点では岡田の方が健さんなどより明らかに上だろうし、そこで人間性が上だから健さんが善玉というならわかるのだが、まあ人間的には健さんは確かに悪い奴の役ではないが、しかし岡田側より健さんが上になっていくことの最大要因が、男前でモテモテであることと腕力が強いことというのはちょっと善玉らしくない生臭いリアルさだなとすら思える。(苦笑)

岡田らは結局卑劣な妨害ばかりする悪党だが、この健さんの善玉理由が腑に落ちないのでそう悪い奴にも思えないところすらある。(悪い奴だが)

 途中ランジェリーショーのシーンや着替えのシーンがよく出てきて、このシリーズにしては中々艶っぽいシーンが多いというかサービスシーン多しであるが、全体的な構成は他の天下の快男児シリーズの作品とそう変わらない。

 ただ健さんの善玉理由に妙に懐疑的にならざるを得ないところがある軽妙喜劇の一篇。


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高倉健、田中邦衛 他

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2013/05/22(水) 13:51:55 東映 トラックバック:0 コメント(-)

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