0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「春の夜の出来事」

 西河克己「春の夜の出来事」、

 若原雅夫の大会社社長は自分の会社が出した懸賞に自ら二等で当選し、身分を隠して賞品であるホテルに泊まる旅行に出かけ、部下の伊藤雄之助を社長に化けさせて動向させる。

 そのホテルでは懸賞に当たった貧乏人を演じる若原だが、同じく懸賞に当たってやってきた若者と仲良くなる。

 だがホテルは若者を億万長者と思いこみ、若原を貧乏人でホテルに相応しくない客として追い出そうとする。

 そこへ伊藤からの手紙を読んで若原の娘の芦川いづみや東山千栄子がやってくる。






 大社長が貧乏人に化けて色んな人に出会う風刺的な喜劇映画。

 若原と若者が仲良くなっていく件も中々よく、社長に動向する伊藤雄之助がいい味を出しておかしな状況を見つめているので、全体的にわりと洒落っ気のあるシニカルテイストの喜劇になっている。

 西河監督本人が企画を出した作品らしいが、この時期西河監督は中平康とよくつるんでいたらしく、中平はこの映画の脚本にも参加していかにも中平らしい味わいを出している。

 爽やかな演出とテイスト、それにシニカルな風刺性がいい按配で同居してる感じが中々良い映画である。

 最終的にはこのおとぎ話めいたお話も結末を迎え、この喜劇に相応しい爽やかな終わり方をするが、映画の音楽を担当している黛敏郎が「黛敏郎を名乗る男」役で少し出演しているところもわりと洒落のめしている、中々愉しき一篇。



西河克己作品
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2013/05/17(金) 13:27:49 日活 トラックバック:0 コメント(-)

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