0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「警視庁物語 逃亡五分前」

小沢茂弘「警視庁物語 逃亡五分前」、

ある時タクシー強盗が起き、モンタージュ写真が作られ、役人などが容疑者に挙げられるが、幾人かの容疑者のアリバイなどが確認されていく中、南原伸二(宏治)が追跡した男はYシャツに血痕を付着させており尾行すると不審な電話を繰り返しかけたりする。

だが部屋に出入りする女を追う前に張り込んでいたホテルの一室から南原は男を窓から逃がしてしまう。






警視庁物語シリーズの一作。

長谷川公之の渋くて硬派でリアルな脚本が相変わらず中々良く、事件捜査が丁寧に描かれている。

活劇映画としてはそのリアルさが少々もたついた感じにも思えるのだが、それぞれの捜査の点と線が終盤に如実に繋がってくるところの描写の丁寧さはやはりこのシリーズの一つの良き醍醐味と言える。

堀雄二の刑事が不器用そうな大味感を出し、南原もいい味わいで刑事役に似合っている。

南原は中年以降は悪役ばかりが似合うキャラに変身してしまうわけだが、眼光の鋭さは当時の若い頃からすでに持ち合わせている。

捜査チームのリーダーの神田隆も後には悪役ばかり演じるようになるが、ここでは刑事役を好演している。

その他にも刑事役をこちらも悪役多しの関山耕司や山本麟一が演じており、もう悪役俳優の巣窟のような刑事部屋なのだが(苦笑)、そういうところがまたリアルさが感じさせる所以でもある。

最後に格闘シーンがある以外は地味な捜査が多く描かれるばかりだが、サスペンス感はわりと出ているし中々充実した出来の一篇。


小沢茂弘作品
殺人拳2 [DVD]殺人拳2 [DVD]
(2007/10/21)
千葉真一、市地洋子 他

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2013/05/05(日) 12:37:18 東映 トラックバック:0 コメント(-)

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