0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「六年目の疑惑」

 マイケル・アンダーソン「六年目の疑惑」、

 ゲーリー・クーパーは裁判で、ある殺人事件の目撃者として証言し、無実を訴える男の殺人の証拠となる証言をする。

 だが妻のデボラ・カーはそこに不穏なものを感じていると、裁判後クーパーをある男がつけてくる。

 その後もデボラはずっと事件の犯人は本当は夫のクーパーだったのではないかという疑惑を消し去ることができず、その間にクーパーが大金を持っていて成功していったことも疑惑に拍車をかけていった。

 我慢できないデボラは徐々に夫の不審な行動を見るにつけ、独自で捜査を始める。




 

 ゲーリー・クーパー主演のサスペンス映画。

 妻が夫の犯罪を疑う疑心暗鬼を描いた映画にはヒッチコックの「断崖」があるが、この映画はデボラ・カーがハナから夫のクーパーにあなたを疑ってると言っている点が違っている。

 だからその後の展開もクーパーが「バカ言ってんじゃないよ♪」「六年目の疑惑ぐらい大目に見ろよ♪」みたいなことを言うと、デボラが「開き直るその態度が気に入らないのよ♪」のように言い出し、とまるでヒロシ&キーボーの「三年目の浮気」ならぬクーパー&デボラの「六年目の疑惑」のようになっていくが(苦笑)最後には真犯人が明確になり、修羅場を迎えて終わっていく。

 クーパーが最後までいい奴なのか悪い奴なのかわからないところがサスペンスを高めているし、終始冷静な態度を取って夫を信じようとしているのに疑惑をどうしても拭い去れないデボラ・カーの心理描写も丁寧にやっているので中々面白く見られる映画になっている。

 最後のトリッキーな描写もちょっと凝っている。

 妙に派手なズームやこれみよがしの劇伴が流れるところはちょっと大仰だが、それでもサスペンスミステリ映画としてはわりと飽きさせずに見せる佳作な一篇。


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ゲーリー・クーパー、マリ・アルドン 他

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2013/04/22(月) 13:54:34 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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