0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「親馬鹿子守歌」

 齋藤寅次郎「親馬鹿子守歌」、

 榎本健一=エノケンは柳家金語桜の家の使用人だったが、ある女中に惚れていた。

 しかしその女中は、同じ使用人の他の男と付き合っていたが、男は金語桜の娘と結婚することになり、女中は裏切られた気持ちになるも、実は男の子供を妊娠していた。

 そうとは知らずエノケンは女中にプロポーズするが断られ、そのため煙突に昇ってサボタージュし熱意に打たれた女中と結婚することになる。

 その後娘が生まれるが、女中はこの子供は前の彼氏との間で出来た子だとエノケンに告白して死んでしまう。

 だがエノケンは娘をその後育てる。




 エノケンと金語桜共演の軽喜劇映画。

 エノケンが娘を育てたのに、母である女中を捨てた男が、後で自分の娘だとして引き取りに来てしまう展開となるが、何故かエノケンは後で娘に会いに来いと言われているのに、職場を辞めてホームレスとなってしまい、終いには泥棒の片棒を担がされそうになるのだが、何で職場を辞めてホームレスになっているのかがちゃんと描かれないので不明瞭な展開の映画になっている。

 まあ察するに、自分の本当の子供ではないとは言え、育ての親として大事に育てた娘の将来のことを考えて手放したことの、そのショックが大きくて自暴自棄になったのかもしれぬが、そういう描写はほぼない。

 最後は泥棒をやらされそうになり、悪党の有島一郎とドタバタコントな格闘を演じて最後はエノケンが泥棒逮捕のお手柄ということになり、娘にも再会出来てハッピーエンドだが、まあエノケンと金語桜の共演作ではあるが、最後のドタバタを見ているとエノケンと有島一郎のコント競演という感じの方が強くする。

 話の筋はシンプル極まるもので、エノケンのギャグも軽い人情喜劇だが、やはりちゃんとまとまってはいる一篇。


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榎本健一、笠置シヅ子 他

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2013/04/18(木) 13:47:16 東宝 トラックバック:0 コメント(-)

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