0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「俺は淋しいんだ」

 小杉勇「俺は淋しいんだ」、

 安井昌二は船に乗っていたが、ある時弟が麻薬中毒で死んだ話を聞いて街へ戻る。

 弟の死の真相を究明しようとする安井は、そこで香月美奈子と出会うが、香月には質の悪いヒモのようなヤクザがついていた。

 だが香月が好きになった安井はこのヒモヤクザを叩きのめすが、香月とこのヒモヤクザは弟の死に関わっていた。



 

 フランク永井の映画タイトルと同じ曲が流れる歌謡映画風・日活サスペンスのSP映画。

 安井昌二はもっと中年になってからの方が男前な顔をしていて、この頃は妙におっさん臭い風貌だが、声だけは当時からとてもいい。

 フランク永井は話には関係ないところで登場し、同名曲を劇中歌っている。

 一見ややこしいミステリなようで、実にシンプルかつあっさりしたお話で、そのくせ最後に安井が具体的にはどう思って香月と別れ、去って行ったのかは、そちらの想像におまかせするといった感じの不明瞭な描かれ方で終わってしまう映画である。

 香月美奈子はお得意の悪女役的な感じはしないが、いかにも犯罪ミステリに出てくるファムファタール的役どころでまあ適役である。

 香月を脅してくっついているヒモヤクザがあまりに弱いのには失笑するが、安井の役柄ももうちょっとドラマに深みがあればもっと意味深なキャラになり、最後の不明瞭さだってそれ故に生きたろうに、あまりにドラマが浅くシンプルすぎるのでうまい出来とは言い難いものになってしまっている一篇。



俺は淋しいんだ俺は淋しいんだ
(2012/07/25)
フランク永井

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  2013/04/05(金) 14:06:09 日活 トラックバック:0 コメント(-)

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