0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「共犯者たち」

 岨手由貴子「共犯者たち」、

 長谷川初範とMeriiの夫婦は随分と年の離れた夫婦だが、仲が良くなかった叔母の葬儀に出るためホテルに泊まっていた。

 叔母の話をしながら今は叔母さんの気持ちがわかると言う長谷川、若い妻とは見解が違うが、そこから徐々に夫婦の関係が見え隠れしていく。





 年の離れた夫婦を描いた挿話的な映画。

 しかし設定に対する明確な描写がないので、冒頭ナレーションで語られる年の離れた夫婦というのはわかるが、叔母の話やその後の妻の行動や終盤に至るまでわかりにくい描写だらけで、ほとんど明確な輪郭を持たない学生映画的な作品に長谷川初範のような名優が勿体無くもわざわざ出ているという感じばかりする映画である。
 
 年取った夫は妻を見守ることしか出来ず、若い妻は新しいものを吸収したがるというギャップがあり、実は叔母と妻との関係のギャップやギクシャクもそういうベクトルの違いによるものでは、と語られているようだが、その辺りもどうもわかりにくい描写だらけで要領を得ない映画である。

 わかりにくいと言ってもシュールなことをやってるわけではないのだが、やはり全体の輪郭が曖昧なまま唐突なシーンばかりを繋いでいるので、監督の頭の中では繋がっているのだろう各挿話が映画においてはうまく繋がっているとは言い難く、そんな拙さのわりには役者や音楽などが少し豪華なので、何とも映画製作の条件の良さに作り手の力量が追いついていないところが目立つ。(苦笑)

 長谷川初範は好演しているし一応丁寧に撮っているとは思うが、映画自体の中途半端感は如何ともし難い一篇。


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2013/03/28(木) 03:25:19 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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