0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「煩悩力」

 小林でび「煩悩力」、

 あるホストは客の女を家まで送っていくが糞がしたくなり、女の家のトイレを借りようとするが、なぜか女は男を家に入れようとしない。

 それでも我慢出来なくなったホストは女の家にトイレに入るが、そこには奇妙な中年女がいた。

 トイレを出てその中年女のことを聞くと、客の女は幽霊だのと言いだし、ホストに焦ってのしかかってくる。

 だが次の朝、ホストは中年女と出会い、その女は水道水を超能力で日本酒に変えてしまう。



 


 煩悩が超能力となる女を描いた諷刺的喜劇映画。

 かってのオウムみたいなテロをやった新興宗教の逃亡中の元女教祖と、それを匿う元信者の家にホストが偶然紛れ込み殺されそうになる話だが、さすがは小林でびらしく、小さな喜劇ではあるが隙なく展開させ、かなり充実した喜劇になっている。

 テロを指示して大量に人を殺し、今は逃亡中の元教祖は、そのわりにはずいぶん気のいいオバサンで、超能力も煩悩を使って日本酒に変えるとかの変なもので、その煩悩という意味で後半何で巻き込まれるのがホストなのかの伏線が効いてくる。

 わりとコテコテな喜劇なわりにはそう凡庸な感じがしないし、オウムの諷刺喜劇としてはよくあるタイプのものだが、それでもお話の転がし方がわりと面白いのでいい感じになっている。

 3人しか出演者が出てこないシチュエーション喜劇映画だが、それでも妙に膨らみを感じさせもする一篇。



馬鹿馬鹿しいが中々の佳作
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小林でび、小木曽睦美 他

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2013/03/16(土) 13:57:16 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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