0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「阿部定 最後の七日間」

阿部定 最後の七日間 [DVD]阿部定 最後の七日間 [DVD]
(2011/08/19)
麻美ゆま、松田信行 他

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 愛染恭子「阿部定 最後の七日間」、

 阿部定=麻美ゆまは不倫関係にあった男を殺した容疑で警察に尋問される。

 刑事の菅田俊は厳しく阿部定を追及するが、阿部定はハナからあからさまに事件の全容を告白しだす。

 世話になっていた飯島大介の先生が元々彼女のパトロン的存在だったが、ある時から一人の男・松田信行と不倫関係になり、旅館に入り浸って、二人は情事に昼夜ふけるようになっていく。



 


 有名な阿部定の事件を映画化した作品。

 麻美ゆまの阿部定は、これまで演じてきた女優陣の中では石井輝男の「明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史」で阿部定を演じた賀川雪絵と双璧を成す美貌だし、絡みのシーンの脱ぎっぷりと乱れっぷりの派手さから言えばこれが一番ということになるだろう。

 しかし時代色を醸し出したテイストで作られている上、役者陣も麻美他熱演しているのに、阿部定を演じた女優のルックスという点では少々劣るように思える作品「愛のコリーダ」や「実録阿部定」のような強烈な醍醐味があまり感じられない。

 なんとなくAVでこの手の題材なら手慣れたベテランの域に達している麻美ゆまが見事な熱演で頑張っていたり、時代のムードを出そうとしているのが明確なだけで、イマイチしまりがない。

 なんというかよくある痴情のもつれ的事件の一つを描いたような感じがする。

 まあそりゃ事件がチン切り騒ぎで大々的に報道されただけで、これだってよくある男女の爛れた情事と愛念の果ての痴情の事件の一つにすぎないといえばそうかもしれないが、阿部定が相手の男をどうしようもなく深く愛していた、異常なまでの愛念と執着があんまり感じられず、その点で「愛のコリーダ」の松田英子に大きく水をあけられている。

 結局、なんてことなく寧ろまったりした感じで終わってしまうメリハリのなさにちょっとガッカリする映画ではある。

 愛染恭子は頑張って演出しているようにも思えるし、麻美ゆまもかなりの熱演なのにな・・・・・とそう悪い出来でもないが、ちょっと微妙な残念さが感じられんでもない一篇。
2013/03/01(金) 14:21:07 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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