0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「乱気流 タービュランス」

 
乱気流 タービュランス [DVD]乱気流 タービュランス [DVD]
(2005/07/16)
レイ・リオッタ、ローレン・ホリー 他

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 ロバート・バトラー「乱気流 タービュランス」再見、

 クリスマスイブの日、ある旅客機はシリアルキラー、レイ・リオッタと強盗犯の護送に使われる。

 だが離陸して1時間以上経った頃、強盗犯がトイレに行くと乱気流に飛行機は見舞われ、強盗犯はその隙に連邦保安官を射殺するが、自分も撃たれ、一緒に機長、副機長も命を落とし、操縦者不在の状態になる。

 CAのローレン・ホリーはなんとかその危機を脱しようとするが、機内には殺人鬼のレイ・リオッタがいてLAの街に飛行機を墜落させると宣言する。

 この機の前を運航していた旅客機の機長からの通信と指示でローレンはなんとか操縦を試みて、無事自動操縦に切り替えようとしたが、急に火災警報器が鳴り黒煙が上がりだし、ローレンは操縦室から出ざるを得なくなる。




 空のパニック状況における活劇映画。

 この映画は、主に冒頭の強盗犯による連邦保安官射殺から始まる、畳みかける三つ巴四つ巴の銃撃戦が、地盤の不安定な空の上で起こるシーンが最も光っている映画である。

 だからか、その後の映画の主眼である、乱気流に巻き込まれた飛行機の航空パニックアクションの方はそれよりちょっと地味な感じがする。

 操縦者不在の飛行機というものを何とかCAが立て直し、その後様々なパニック状況に対峙する展開だが、CA以外で一人残ったレイ・リオッタの殺人鬼が妙にブクブク太っていて、まるで西田敏行がコントっぽく暴れまわっているように見えてしまう。(苦笑)

サイコキラーの演技が悪いわけではないが、パニック状況でハイになり、だらしない身体で機内を歩き回る様がどうにも旅行中に酔っぱらって騒いでる西田敏行似の飲んだくれ親父にしか見えず、その辺はちょっとコントじみている。

 途中の乱気流に見舞われる描写もそう派手でなく、まあこんな感じかといった程度なので最終的にちゃんとした結末で終わるだろうことも大方想像通りだったりする。

 航空パニックものと活劇映画とサイコキラーものをミックスした題材は悪くないし、そんな空中分解しそうなジャンルミクスチャーを、地盤が不安定で空中分解寸前の飛行機内で描くという崩壊状況の掛け合わせみたいな感じもいいと思うのだが、映画自体のそういう部分に関してはまあまあといったところか。

 それでもそんな流動的な状況を、名作「ジャグラー ニューヨーク25時」の監督でもあるロバート・バトラーがあくまで流動的なアクションタッチで撮っているところは秀逸な一篇。
2013/02/21(木) 13:48:09 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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