0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「人形左七捕物帖 妖艶六死美人」

人形佐七捕物帖 妖艶六死美人 [DVD]人形佐七捕物帖 妖艶六死美人 [DVD]
(2005/10/21)
若山富三郎、安部寿美子 他

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 中川信夫「人形左七捕物帖 妖艶六死美人」再見、

 ある日名高い絵師が描いた美人画の屏風が公開されるが、絵のモデルとなった女たちはこんなブサイクに描きやがって・・・と絵を滅茶苦茶にしたためか、恥をかいた絵師は狂ったように死んでしまう。

 しかしその1年後、そのモデルとなった女たちは六歌仙の美人として背中に美人画の彫り物まで入れていたが、一人一人予告されて殺されていく。

 岡っ引きの左七=若山富三郎は捜査に乗り出し、次々と容疑者や怪しい人物が浮かぶが、どれも犯人ではなかったり、殺されたりしてしまう。

 そうこうするうち、左七は謎の集団に襲われ、天知茂の浪人に助けられるも、妻の日比野恵子が誘拐されてしまい、家に残された書き置きには、事件から手を引けと書かれていた。



 

 横溝正史原作の「人形左七」シリーズの一作。

 最初から話がスタスタと展開し、派手な女たちの暴れっぷりから連続殺人事件まで一気に見せる展開である。

 他のシリーズ作ではスリ役もやっていた日比野恵子はここでは左七の女房役を演じている。

 それにしても、冒頭どう見ても実物より美人に描かれた屏風の美人画を、モデルになった女たちが、こんなブスに描きやがって、と絵を切り裂いたり落書きしたりするのだが、一回てめーの顔をよく鏡で見てからモノを言えとしか言いようがない挿話である。(苦笑)

 だがこれにはちゃんと訳があり、その陰謀のからくりは最後に解かれる。

 終盤の解決編で真犯人が左七によって暴かれると、その犯人が急に逆ギレして正体をまるで怪物のように露わにし、大見得まで切るところはさすがに笑わせる。

 若山の左七は役にはバッチリ合っているのだが、台詞回しがいかにも江戸の岡っ引き風すぎてちょっとわざとらしい可笑しさも感じる。(苦笑)

 今作もただの怨恨による女の連続殺人事件と思われていたものが、もっと大きな隠蔽工作のためのものだったことが最後に発覚し、お約束的なチャンバラ展開で終わっていくが、このラストの大立ち回りはいかにも若山富三郎=左七の独壇場という感じで派手に描かれている。
 
 女性の露出度が当時としては多めなところも新東宝らしく(三原葉子も出演している)、まあそれがこのシリーズの一つの特徴ともなっている。

 スタスタ展開するタッチ故に、わりと飽きさせない一篇。


2013/02/19(火) 13:49:31 新東宝 トラックバック:0 コメント(-)

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