0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「わんぱく天使」

 久松静児「わんぱく天使」、

 団地に住む放送作家のフランキー堺と池内淳子の夫婦には小さな娘がいたが、これがわんぱくで二人は手を焼いていた。

 近所に住む伴淳三郎や三木のり平のところにも娘がいたが、仲の良い3人は行きつけの飲み屋に美人が入ったことを喜ぶも、それはフランキーとは旧知の岸田今日子だった。

 フランキーはその後岸田をあるバーに行かせるが、その頃幼稚園に上がったいつも元気な娘が集団生活では孤立していることにフランキーは苛立つも、それはフランキーのために娘が粘土で料理を作っていたからで、フランキーは娘の健気な気持ちがわかってやれなくて悔やむ。



 

 

 タイトル通りわんぱくな小さな子供とその家庭を描いた喜劇映画。

 フランキーの小さな娘はドキュメント的なまでに自由闊達に動き回り、中々可愛らしく楽しい。

 しかし最初は問題児でわんぱくなこの小さな娘にフランキーと池内がやたらと翻弄される展開だが、後半は岸田今日子との浮気を阻止して家庭の絆を暗に守るのもこの小さな娘であり、岸田のことを知って家出した池内を連れ戻し夫婦の中を取り持つのもこの娘であって、まさに家庭円満のための天使だったことが明確になって映画は終わっていく。

 親が子供を育てるだけでなく、実は親が子供に育てられているのだ、ということを楽しく明朗に描いた映画である。

 フランキーや池内はキッチリ芝居しているのに、この小さな娘は素の動きをするが、その絡みも割とスムーズに描かれ、この子供の素の表情や動きが映画を躍動させている。

 構成も中々うまくて、楽しく見られるほんわかした佳作な一篇。




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(2005/11/25)
フランキー堺、淡島千景 他

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2013/02/14(木) 13:52:56 東宝 トラックバック:0 コメント(-)

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