0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「あんみつ姫 妖術競べの巻」

 仲木繁夫「あんみつ姫 妖術競べの巻」、

 雪村いづみのあんみつ姫の父である殿・藤原釜足は発明好きで、ある時ヘリコプターのようなものを発明したり、なんでも4倍の大きさにしてしまう薬を発明するが、その発明、倍々薬を作る方程式を奪おうと敵が寄ってくる。

 久保明の妹、松島トモ子は人質に捕えられ、なんとか逃げるが、敵からは腰元に化けた女が雪村のそばに潜入していた。

 その後妖術使いの益田喜頓はチョコレート博士なる外人に化けて藤原の屋敷に乗り込む。



 

 あんみつ姫シリーズの一作。

 雪村のあんみつ姫は過度な世間知らずと天然ボケが武器の、まるで今ならローラに匹敵するキャラだが、まあ敵が益田喜頓なので戦いといってもベタな喜劇展開だが、どれだけ益田が妖術を見せても喜ぶばかりの雪村に益田が手を焼くシーンはちょっと面白い。

 結局江戸時代に奇妙なヘリコプターだの倍々薬だのが出てくるコミカル話だが、最後も空からカステラ夫人=外人扮装の丹下キヨ子が巨大な胡椒を撒き散らし、チャンバラ決戦をやっている武士がくしゃみの連続となるおふざけ展開である。

 タイトルに妖術競べとあるわりにはトボけた妖術を使うのは益田だけで、別に大して競ってもいないが、雪村の超世間知らずと天然さが妖術レベルのものだと思えば、まあタイトルに偽りはない。

 新人の頃の天津敏が出ているが、ここでは善玉役だがこの頃からワイルドな個性が出ている。

 雪村のあんみつ姫役は見事に適役だし、松島トモ子や久保明、藤原釜足も役に合っている。

 雪村は劇中何度か自慢の美声で歌っているが、この方老いた今もこの美声を保っており、今でも相当毎日ボイストレーニングをされているのではないかと思われる。

 あんみつ姫の母君役の松田トシが、江戸時代にマジックを披露するシーンには奇妙な和洋折衷感がある。

 まあ全体的にユルいおふざけ感に満ちた、楽しい一篇。


あんみつ姫 マル秘おまじないパック (DLデラックス 35)あんみつ姫 マル秘おまじないパック (DLデラックス 35)
(1987/01)
不明

詳細を見る


2013/02/08(金) 13:56:10 東宝 トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1245-9d54d3a6