0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「のり平の三等亭主 愉快な家族」

 丸林久信「のり平の三等亭主 愉快な家族」、

 三木のり平と中田康子は仲睦まじい夫婦だが、そこへ中田の妹が婚活にやってきて居候しだす。

 妹は三木の会社まで出向いて婿さがしし、そこで石原忠(佐原健二)と出会い仲良くなる。

 しかしそれとは反対に仲の良かった三木と中田は誤解やすれちがいが重なって不仲になってしまう。




 

 三木のり平主演の長閑な家庭喜劇映画。

 最初仲の良かった夫婦が仲たがいする展開だが、その大元はどう見ても居候し出した中田の妹に問題があるように見える。

 なのに姉の夫婦を仲たがいさせといて、自分は新たな恋人みつけて仲良くなり、最後は自分で半ば仲たがいさせた三木夫婦を仲直りさせる工作を行って、まるでいい妹みたいな顔して終わっていくのだからなんとも皮肉な喜劇である。

 この妹はロメール映画に出てくる女ほどに、自分のやっていることのロクでもなさが意識出来ていないというか正当化してしまうキャラでもないのだが、ご都合主義的にいい妹に最後はなっているところが気になる。

 三木が宿直で家に帰れないから他の人に変わってもらって帰宅した際、中田が三木を心配して弁当作って差し入れに行って入れ違っただけなのに、この妹は姉はパーテイに行ったなどというので三木は怒り、中田もせっかくさし入れに来たのに三木はおらず、妹が危惧したことを信じて浮気だと思い始め、二人は仲たがいするのだが、これはどう見ても中田の妹が悪いのだが、妹は結局善玉扱いという展開になっているところがこの映画のシニカルな喜劇的部分ということかもしれない。

 単なる長閑な家庭喜劇なようで、多少皮肉なところがある一篇。


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2013/01/26(土) 14:01:58 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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