0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「尼寺マル秘物語」

 
尼寺マル秘物語 [DVD]尼寺マル秘物語 [DVD]
(2010/04/21)
藤純子、津川雅彦 他

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 中島貞夫「尼寺マル秘物語」再見、

 藤(現・寺島)純子はある寺の尼だが、寺のご本尊を建て直すために若山富三郎の僧長に頼みに行くも若山に見返り的にレイプされ処女を奪われる。

 だが人形と暮らす三田佳子の尼寺・トップのためだと思っていたが、三田はそんな建て直しなどに興味を持たなかった。

 尼寺には下男で足の悪い津川雅彦がいて、寺に引き取られている大原麗子は津川が好きで関係するが、実は津川は藤のことが好きだった。

 しかし藤に懲役逃れのために足を自分で撃ったのではと疑惑を持たれ、津川は怒る。




 

 尼寺を舞台にした色と欲にまみれた映画。

 とは言え悪漢映画ではなく、諸悪の根源は僧の権力を使って色と欲に溺れきって好き放題なことをする若山富三郎であり、それに藤も尼寺も皆迷惑する話である。

 故に終盤、若山は津川に殺されてしまうが、しかし緋牡丹お竜系の任侠映画では藤純子にプラトニックな憧憬の念を見せていた若山が、ここでは処女は奪うわ無理やり犯すわ腹ませるわでいつもと関係性が真逆であり、キャラも露骨な悪役だったりする。

 女優陣は藤に大原麗子に三田佳子にとスター系ばかりで、この手の東映尼寺・色と欲映画なら通常出てきてもおかしくない東映ポルノ系&ピンキーヴァイオレンス女優がほとんど出てこないので、意外とエロシーン控えめな映画であるが、それでも藤だけでなく無表情が不気味な人形と暮らす三田佳子も、大原麗子も好演している。

 大原麗子の母・沢村貞子もろくな母親じゃなかったりするが、お話の展開はわりとシンプルで、ドロドロした色と欲の映画のわりにはあっけなく終わってしまう一篇。
2013/01/25(金) 13:46:51 東映 トラックバック:0 コメント(-)

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