0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「スチャラカ社員」

 前田陽一「スチャラカ社員」、

 ミヤコ蝶々の会社は色々やってみても経営難で倒産の危機になり、とうとうミヤコは会社を廃業するというが、部長の長門勇が会社を潰すのはやめてくれと言うのでなんとか再起を賭けることになる。

 長門は新たにビルの屋上で何でも貸しますのレンタル業を始めるが、同じビルに外国資本のリース会社が入って商売を悉く妨害される。

 リース会社の社員、藤岡弘はミヤコの会社の新藤恵美にやたら近ずき会社を合併しようという話をしてくるが、社員たちはその話を飲まなかった。

 ある時南道郎の会社が二つのレンタル会社のコンペを持ちかけ、大会社の方は水中ショーを披露し、ミヤコの会社は都はるみのそっくりさんを連れてきて本物に見立てたはずが、それは本物の都はるみでショーは成功する。

 しかし南の会社は詐欺会社だった。




 関西お笑い系芸人が大量に出ている喜劇映画。

 ミヤコ蝶々主演となっているが、ミヤコは途中ほとんど出てこず、会社再建にもまるで尽力せず、ひたすら長門勇が奮闘するお話である。

 途中かしまし娘や夢路いとしこいしなどがチョロっと出てくるが、基本は長門の会社再建奮闘話がメインで、大手リース会社社員の藤岡弘はまだワイルドな個性ではなく、妙にナンパなキャラだったりする。

 前田陽一映画らしく、テンポのいい展開だが、この頃のプログラムピクチャー系の喜劇人出演映画は自分のギャグネタや漫才ネタをふんだんに盛り込んでいるのに、昨今の芸人が出ていたり監督する映画は持ちネタとは別のものを作る傾向がある。

 これはまあ映画と芸とは別と考えているのかもしれぬが、しかしながら多くの芸人映画が北野武以外はそううまくいかず、品川ヒロシの映画がちゃんと自分の漫才師としての能力を映画に生かしているから佳作が生まれている傾向から考えると、今の芸人映画もこの映画や品川の映画を見習って自分の芸人としての技術や能力を十分生かしたものを作った方がいいと改めて思う。(まあ監督の腕にもよるが)

 あのマッコイ斉藤だって映画監督として構えて撮ったり無理にバラエテイのノリを劇映画にしようとするとイマイチなのに、「上島ジェーン」のように普段作ってるバラエテイの発展形にするとわりとうまく行く現実を見たりすると尚更そう思う。

 お笑い人たちの個性は役者としてもよく出ていて、まあ定番な内容ではあるが面白く見られる映画になっている佳作な一篇。


前田陽一作品
土佐の一本釣り [DVD]土佐の一本釣り [DVD]
(2006/04/27)
田中好子、加藤純平 他

詳細を見る


  2013/01/10(木) 13:58:18 松竹 トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1215-3f87bee5