0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「五人の斥候兵」

 田坂具隆「五人の斥候兵」(日活、リバイバル版)再見、

 北支戦線では激戦となり、部隊の兵士は半分戦死した。

 上官は兵に休むように言い、伍長や軍曹と陣中日誌を見て戦況について話す。

 次の朝、負傷兵を収容する病院車が来たが、ある兵士は右手が使えないのに後送を拒否する。

 その後本隊からの指令を受け、軍曹をリーダーとする五人の斥候兵が敵地に出向く。

 五人は中国兵やトーチカなどを発見するが、報告に行こうとした時、敵に包囲されていることを知る。



 


 すでに現存しないオリジナル版ではなく、日活マークのついたリバイバル版の戦争映画。

 戦争映画にしては活劇的な魅惑は薄く、演出も随分堅苦しいもので、それがドキュメンタリータッチの生々しさかというとそうでもなく、なんとなくスッキリしない映画で、これは子供の頃初めて見た時もそうだった。

 やはりオリジナル版ではないので、その辺は多少映画全体の流れとして変形してしまっているのかもしれない。

 傑作の誉れ高い映画ではあるのだが、やはり妙に隙間がある感じがする。

 映画の古典的な魅力は随所にあるのだが、それが地味な感じでまとまっているように見えるのは、やはり映画の流れがあまり感じられず、妙にぶつ切りにされたような感じがするからだろう。

 役者陣は小杉勇他皆熱演しているし、戦地の苦しさや焦燥感も感じられるのだが、その辺は妙にドキュメンタリー的な遠さの印象がある。

 しかし映画はドキュメントの生々しさとは正反対の芝居調なので、なんとなくドラマ的に遠くて隙間がある感じがしてしまう。

 やはりオリジナル版とは違うのだろうなと感じさせる一篇。


  
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小杉勇

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2013/01/04(金) 14:26:28 日活 トラックバック:0 コメント(-)

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