0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ザ・バニシング 消失」

 
消失 ― ザ・バニシング オリジナル版 [DVD]消失 ― ザ・バニシング オリジナル版 [DVD]
(2000/01/25)
ベルナール=ピエール・ドナドュー

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 ジョルジュ・シュルイツァー「ザ・バニシング 消失」再見、

 ある男の彼女がドライブ中ちょっと離れた隙に行方不明になってしまう。

 3年経っても必死で探し続ける男はポスターを貼り執念で彼女を探すが、その様子をある男が影から気にしていた。

 男は妻子と幸せな家庭を築いていたが、よく車で女性をナンパしようとしては失敗している男だった。

 ある時恋人を探す男にその男は自分が犯人であることを告げる。



 

 オランダ製サイコサスペンス映画。

 ハリウッドでも後にリメイクされた作品。

 いきなり消えてしまった彼女を恋人の男が執念で捜す姿が描かれていくが、途中から犯人の男の描写に切り替わり、犯人の日常生活とナンパに失敗する奇妙な様子が描かれていく。

 後半、テレビにも出て失踪した彼女を探す恋人に犯人の男は会いに行き、最初はボコボコにされるも、彼女がどうなったかを知りたい男を車に乗せて色々話し始める。

 そして睡眠薬入りのコーヒーを飲んだら彼女のことを教えてやると恋人は言われ、そんな罠に引っかかるかと思いつつも、彼女の失踪の真相が知りたいためにコーヒーを飲む。

 最後は確かに先に犯人が「死ぬよりも辛い目」と言っていた通りのことが恋人の男の身に起こるのだが、まあちょっといくら罠だと知っててわざとコーヒーを飲んだにしても、他にも方法は時間をかければあるわけだし、この恋人の男は短絡というか間抜けじゃないかとは思う。

 確かに犯人にはそのように誘導してしまう不思議なところがあるといえばあるが、結構手の早いこの恋人ならもっとブチ切れて犯人を半殺しにするとか拷問にかけるとかできただろとは思う。

 この映画はこの最後のオチというか顛末がサイコサスペンスとしての醍醐味となっているように言われるが、そこに至るまでの描写にちょっと疑問が湧かないでもない映画である。

 ただ犯人側の不思議な心理構造の描写もなされていて、そちら側から見ると多少意味深な感じがしないでもない映画だが、1988年の時点でその後流行するサイコサスペンス映画の一つの傾向の先鞭を付けた作品という感じはする一篇。
2012/12/28(金) 14:22:28 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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