0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「喰べた人」

 藤野一友「喰べた人」再見、

 あるレストランで岸田森や草野大悟らは客として食事していたが、そこのウエイトレスはそれを見ているうちに気を失ってしまう。

 気がつくと彼女はまな板の上にいて、コックに料理されていた。

 お腹の中に男がいて、それが取り出され調理されて客に出されることになる。



 

 大林宣彦撮影担当の実験的映画。

 ベルギー国際実験映画祭審査員特別賞を受賞している作品だが、若き岸田森や草野大悟がむしゃむしゃ食べまくるだけの役で出ている。

 お話のシュールな怪奇SF的内容と岸田が出ているが故に、「怪奇大作戦」的な感じが少ししないでもない。(草野大悟も「怪奇」にはゲストで出ていたし)

まあ言ってみれば、人間は毎日こうやって動物を殺し、その動物の体内にいる命を調理して食べていたりするのが現実なのだから、この人間という動物が体内のものを調理され、お腹にいた男も調理されて客に出されるということも本当はそう不思議なことではないのかもしれない。

 しかし最後はウエイトレスの口から出てきた白いテープのようなものが客たちを縛り上げ、すべてがこのテープに包まってしまって映画は終わる。

 わりとわかりやすい諷刺が効いた映画だが、手作りSF映画の感じが題材に合っているので、悪くない出来ではある一篇。


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大林宣彦

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2012/12/24(月) 13:23:35 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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