0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「月と接吻」

 小田基義「月と接吻」、

 三木のり平は売れない物書きで女優の淡路恵子の妻に食わせてもらって生活しており、主夫としてほとんどの家事をこなしていた。

 友人の作家も、今度は自分の格を下げて大衆小説の懸賞に作品を出し話題になろう、などと上から目線で見果てぬ夢みたいなことを言っていたが、家賃を滞納しすぎて追い出される寸前だった。

 ある時三木のところに近所の都家かつえがやってきて、三木は新居に住んでいる新婚夫婦を紹介するが、そこへ都家の旦那が売り込みに行くと、電気製品を全部買ってくれる契約を結んでくれる。

 三木らは皆女房には頭が上がらなかったが、ある時酔っぱらって大きなことを言う三木の姿を見て、淡路は夫の気持ちを少し考えるようになる。



 

 ダメな夫としっかり者の妻を描いた喜劇映画。

 三木のり平が売れない物書きの夫を演じ、ダメな者同士でグダグダしている姿が妙に似合っているが、最終的には例によって勝気だが、ここでは意外に物わかりのいい妻役を演じている淡路恵子と深くいい仲の夫婦になっていくまでが面白おかしく描かれている。

 新婚家庭の夫婦が幸せすぎて、すごくくだらないことで心中未遂事件を起こしたり、三木と淡路のコミカルな夫婦喧嘩が描かれたりとドタバタしている映画だが、わりとテンポよく描かれているので面白く見られる。

 小田基義作品としてもいい方の出来だろう。

 三木のり平も淡路恵子も都家かつえも役に合っていて、その掛け合いも中々いい東宝軽妙喜劇の一篇。


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(2012/03/01)
三木のり平、トニー谷 他

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2012/12/21(金) 13:41:59 東宝 トラックバック:0 コメント(-)

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