0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「青銅の魔人 第一部」

 
青銅の魔人(DVD)  SYK118S青銅の魔人(DVD) SYK118S
(2012/03/01)
若杉英二、片山明彦 他

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 穂積利昌「青銅の魔人 第一部」、

 ある時町に青銅の魔人が出現し、骨董価値の時計ばかりを奪う事件が発生。

 警察は何故古い時計ばかりを狙うのか疑問に思うが、その後ある旧家の奥方が誘拐される。

 青銅の魔人は妻が返してほしくば、ある古い時計を渡せと言ってくる。

 そこへ帰国した明智小五郎が現れ、実はその旧家の古い時計の裏には先祖が埋めた金塊のありかを示す地図の片方が隠されていて、魔人はそれを狙っていることを推理する。

 そして青銅の魔人とは怪人二十面相ではないか・・・という疑惑が生まれる。




 江戸川乱歩の原作を映画化した作品。

 明智小五郎役の若杉光夫は後の石井輝男の「異常性愛記録ハレンチ」での変態怪演などとても想像できないほど見事に明智役に似合い、適役を好演している。

 いきなりどう見ても笑ってしまう鉄くずの寄せ集めのような青銅の魔人が現れて骨董時計強奪を繰り返すが、その姿は恐れられてはいるものの、それはあまりにも奇天烈な風貌すぎて笑いを通り越して怖すぎといった感じなんじゃないか、という風に見える。(苦笑)

 まあ子供向けに書かれたポプラ社版の映画化に近いテイストで、随分子供映画っぽいが、それでもそんな長閑な味わいがいい感じのシリーズ作である。

 例によって間抜けに魔人に時計を盗まれていたり、明智が魔人に殺されそうになる危機一髪のところで終わり、第二部に続くとなっているが、この終わり方は、当時の連続活劇映画的に描かれた乱歩の明智と少年探偵団映画では東映でも松竹でも定番になっている終わり方である。

 随所にズルっと笑わせるところはあるが、長閑な愉しさはある一篇。


青銅の魔人―少年探偵 (ポプラ文庫クラシック)青銅の魔人―少年探偵 (ポプラ文庫クラシック)
(2008/11)
江戸川 乱歩

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異常性愛記録 ハレンチ [DVD]異常性愛記録 ハレンチ [DVD]
(2009/01/21)
橘ますみ、賀川雪絵 他

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  2012/12/20(木) 13:57:54 松竹 トラックバック:0 コメント(-)

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