0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「海の情事に賭けろ」

 野口博志「海の情事に賭けろ」、

 赤木圭一郎の大学生は、いきなり深江章喜の殺し屋に狙われ負傷するが、金持ち学生の中原早苗らのヨットに避難し手当を受ける。

 中原は赤木に惚れたような態度を取っていたが、赤木はその後自分を殺そうとした殺し屋のことが気になって、笹森礼子の兄で新聞記者の近藤宏に調査してもらうが、すると赤木と瓜二つのやくざが実は狙われていて、大学生の赤木は人違いで殺されそうになったことを知る。

 自分と瓜二つの男に会いたくて、赤木はいかがわしい高品格の組織に、組織を裏切って逃げているらしい瓜二つの男を装って潜入する。

 そこで密輸のことや高品の組織の悪事の実態を徐々に知っていくが、はなから赤木を警戒していた高品らに捕まってしまう。

 しかしそこに赤木と瓜二つのやくざの情婦・南田洋子が来て助けてくれるが、南田は、その瓜二つのやくざには別れ別れに育った双子の兄弟がいて、それが大学生の赤木ではないかと言ってくる。



 

 赤木圭一郎の日活アクション映画。

 スター俳優はトニー一人なので、どうにもB級チックな感じがする日活アクションだが、双子の兄弟で会ったこともない兄弟のために大学生のトニーが組織に潜入して行く展開はちょっと面白い。

 一見ヤクザの情夫と大学生のトニーを間違えているようで、実はちゃんとわかっていてトニーを助ける南田洋子も役に合っていて、準ヒロイン的役どころである。

 しかし意外なことに、最初出てきてトニーを助けるも自分勝手にトニーに惚れまくり、わがまま放題なことを言っている中原早苗が、途中登場の日活アクション定番ヒロインの笹森礼子の悪役的恋敵になるのだろうと思いきや、結局笹森は途中にチョロっと出てくるだけで、結局中原がトニーの相手役的位置付けで映画は終わってしまう。

 まあ中原は別にトニーに愛されていたわけでもなく、悪のボスの娘だったことを知って父が死んだ後、一人でヨットに乗って悲しみにくれながらどこかへ行ってしまってエンドマークとなるのだから、正式な相手役とも言えぬが、笹森礼子が後半まったく出てこないで、ただ設定上のトニーの恋人らしき立場でしかない描かれ方なのはちょっと異色ではある。(笹森礼子、この時期、日活の回転の早い量産映画に駆り出されすぎて忙しかったのかも)

 日活アクションの定番的内容だし、タイトルにある「海の情事」なんか出てこないが、わりとテンポのいい活劇になっていてトニーも中々いい味を出している一篇。


  
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  2012/12/15(土) 14:04:47 日活 トラックバック:0 コメント(-)

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