0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

追悼 中村勘三郎

 

 歌舞伎役者の中村勘三郎氏が亡くなった。

 歌舞伎方面で様々に新しい試みに挑戦し、精力的に活躍された方だった。

 映画にも出演されていて、「外科室」や「友情」、「顔」「真夜中の弥次さん喜多さん」「やじきた道中 てれすこ」 「座頭市THE LAST」他に出演されていたが、個人的には子供の頃やまだ中村勘九郎の時代の若き頃の好演が一番印象に残っている。

 子役の頃は東宝のお姐ちゃんシリーズの「ベビーギャングとお姐ちゃん」や、「アッちゃんのベビーギャング」でのアッちゃん役が印象深く、つまり子供の頃から随分芸達者だったことが窺われる。

 最も印象深いのは中村勘九郎時代に出演した「幻の殺意」(沢島忠監督)で、平和な家庭がある事件をきっかけに壊れはじめ、当時勘九郎=勘三郎氏はその小林桂樹と若尾文子の父母の優等生な息子役だが、徐々に態度がおかしくなりヤクザ殺しで捕まってしまう事態にまで発展する。

 小林の父親は息子の無実を信じて奔走し出すが、すると今度は妻の過去が明るみになり、それが事件に関わっていたことが発覚していくサスペンス映画だったが、勘三郎氏は苦しい状況の中一人苦悶する息子役を痛々しく好演しており、映画自体もわりと面白かったが、この時の勘九郎=勘三郎さんはとても秀逸だった。

 中村勘三郎さん、ご冥福をお祈り致します。


あの頃映画 「友情」 [DVD]あの頃映画 「友情」 [DVD]
(2012/01/25)
渥美清、中村勘九郎(現・中村勘三郎) 他

詳細を見る


  2012/12/06(木) 13:50:23 R・I・P トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1180-255ed51d