0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「抱いて頂戴」

 岩城其美夫「抱いて頂戴」、

 ある時海外から杉浦直樹の大金持ちがやってきて、日本の女性は杉浦が嫁さがしの大見合い会をするというので殺到する。

 その横で記者の桑野みゆきと芳村真理は杉浦と知り合うが、杉浦にはバーのマダム・泉京子が言い寄っていたものの、杉浦は桑野に気のある素振りを見せる。

 しかし桑野は関心ないような顔をしていた。

 杉浦の部下の山下洵一郎には芳村が言い寄っていたが、山下はかってキューバで柔剣道の道場開いていた時に革命に巻き込まれて死んだ恋人が忘れられずにいたためしょっちゅー泣いていた。

 その後桑野は海賊島に取材に行って捕まり、そこの王様のような男(杉浦・二役)にプロポーズされる。




 松竹ラブコメ映画。

 大金持ちだの海賊島の棟梁だのの役を杉浦が演じ、それが日本に来てツンデレな桑野と惚れた晴れたやる映画だが、ベタなラブコメなようで途中に脈略もなく海賊だの新興宗教だのが出てきてドタバタするので最後までどういう着地点で終わるのかよくわからないところがある。(まあ桑野と杉浦が結ばれてハッピーエンドだろうというのはだいたいわかるのだが)

 杉浦直樹はよく松竹で野村芳太郎の珍作「鑑賞用男性」とかのスクリューボールコメデイの日本版のような映画に主演しているが、この映画もそういう系統に入る恋愛喜劇映画だろう。

 だがそう洒落てる映画ではなく、ひたすらバカバカしいばかりではあるが、途中出てくる新興宗教の教祖みたいなのを渥美清が脇で熱演していたりする。

 最後は海賊の王の正体は結局大金持ちの杉浦だったという、はなからバレバレのオチが開示されて終わるが、そのあたりのショボイ感じもこの映画の味といえば味であろう。(苦笑)

最初は杉浦が言い寄っていたのだが、徐々にツンデレな桑野が杉浦に翻弄され、その手の内で踊っているような展開となるが、だから設定は珍妙だが、そう出鱈目な構成で作られているわけではなく、その辺はプログラムピクチャーらしくまとまっている。

 珍妙な日本版スクリューボール恋愛喜劇映画の一種だろうが、それがそう洒落た恋愛喜劇にはならず、ひたすらショボく盛り上がっては軽くまとまって終わっていく(苦笑)…という感じのツンデレ系ラブコメ映画の一篇。


ならず者【DVD】ならず者【DVD】
(2011/06/21)
高倉健、杉浦直樹 他

詳細を見る


あの頃映画 青春残酷物語 [DVD]あの頃映画 青春残酷物語 [DVD]
(2012/12/21)
川津祐介、桑野みゆき 他

詳細を見る
2012/12/05(水) 13:55:05 松竹 トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1179-b5ee66e0