0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「生きてるものはいないのか」

生きてるものはいないのか [DVD]生きてるものはいないのか [DVD]
(2012/09/21)
染谷将太、高梨臨 他

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 石井岳龍「生きてるものはいないのか」再見、

 カフェでは一人の冴えない男を巡っての三角関係の話し合いが行われていた。

 その頃、ムショ帰りの兄は大学病院に勤める妹に会いにくるが、その妹に医師は気があった。

 外では都市伝説を研究するサークル員たちが話していたが、高橋真唯が急に死んでしまう。

 そして他の者も急にわけもなく死んでいくことになる。




 前田司郎の原作を映画化したシュール喜劇映画。

  前半の人がバタバタ死ぬ前の前振り描写が良く、新味だがリアルにテンポのイイ会話が続き、まるで昔の黒沢清映画のような野心的な描写で随分期待させる。

 しかし人が続々と謎の死を遂げ続けるシュール喜劇のような中盤になるといかにもお寒い映画になって失速してしまう。

 シュール喜劇と言っても、ほとんどすでに手垢に塗れたようなものでしかなく、単調で退屈な喜劇が続くばかりで結局最後までショボく盛り下がったまんま終わっていく。

 舞台でこれをやってるならまだわかるのだが、映画でそれを描いたことでどうにも芳しくないわざとらしい映画になってしまっている。

  シュール喜劇としてもどこか凡庸である。

 せっかく前半稀有なまでに秀逸な演出の感覚を描出し得ているのに、後半がどんどんわざとらしくつまらなくなり、尻つぼみになってしまっているのがなんとも惜しく残念な一篇。
2012/11/29(木) 03:27:57 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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