0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「預言者」

 
預言者 [DVD]預言者 [DVD]
(2012/07/06)
タハール・ラヒム、ニエル・アレストリュプ 他

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 ジャック・オディアール「預言者」、

 無学のアラブ系青年は刑務所に入ることになるが、そこはマフィアが牛耳っていた。

 自分たちの仲間になれと青年は強要され、ある男を殺すことを命令されるが、わざと問題を起こしてなんとか独房に逃げ込もうとする。

 しかし暴力的に殺人を強要され青年は男を殺す。

 そこから青年は重宝がられ、ボスに信頼される存在になっていくが、手広くやりすぎたことを咎められ手酷い暴行をボスから受けた青年はボスを殺してやりたいと思うようになる。




 刑務所内の組織を描いたノワール映画。

 ウブなとこすらあるアラブ系青年が暴力的に刑務所内のマフィアに加担させられ、殺人を皮切りにさまざまなことを行いボスのために尽くし徐々にのし上がっていく様が描かれていく。

 だがいっぱしのマフィアの子分になって貢献していたのに、頑張りすぎたことでボスに暴行され、怒った青年は独立した自分のマフィアを作ろうと動き始める。

 青年は自分が先の見通せる預言者だと認識することでボスへの復讐も兼ねて自分の独立マフィアを作ろうとして、かなり手荒なマネもする。

 最初に青年が殺人に至る描写からマフィアに殺人を強要されて殴られるシーンも生々しいが、ボスに貢献しているのに暴行されてしまうシーンも痛々しい。

 また途中から役に立つ奴として暗躍してボスに貢献する青年の姿にもセミドキュメント的なリアルさがあり、それは後半ボスを裏切って外部で青年が襲撃をするシーンにもよく出ている。

 暴力描写にもボスに貢献し青年がのし上がっていくプロセスにも生々しさが出てるとこが一番秀逸である。

 最後はボスが手が出せないほどのマフィアを青年は作り上げるが、そこまでのプロセスをナマな息吹きを感じさせるタッチで見事に描き上げている秀作な一篇。

2012/11/28(水) 13:26:45 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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