0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「東京プレイボーイクラブ」

 
東京プレイボーイクラブ [DVD]東京プレイボーイクラブ [DVD]
(2012/07/04)
大森南朋、光石研 他

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 奥田庸介「東京プレイボーイクラブ」再見、

 大森南明は働いていた作業現場の音がうるさいとクレームをつけてきた凶暴な浪人生を工具で殴りつけ、職場にいられなくなり、東京の旧友、光石研がやっているキャバクラにやってくる。

 だが血の気の多い大森はそこで顔を利かせている奴をボコリ、文句を言ってきたその兄も立ちしょん帰りにボコリまくる。

 やっとこの土地で商売できるようになった光石は大森に穏便な行動を取れと諭すが、しかし大森には田舎にいた頃のチンピラ時代に世話になった恩義があるがゆえに光石は強く言えないでいた。

 その頃光石の店の従業員がホステスをハラませたため駆け落ちしようとして光石の金を持ち逃げするが、従業員は女に金を渡すものの逃げられ光石に捕まる。

 結局従業員のカノジョ、臼田あさみが代わりに店で働いて盗んだ金の穴埋めをすることになる。






 「青春墓場」シリーズの奥田庸介監督の商業映画デビュー作。

 この映画も裏社会のチンピラたちをパルプノワールな味わいで描いた活劇映画で、いつもの昭和歌謡や昭和ポップスを流すセンスも同じだが少々タッチがリラックスしている。

 まあノワールアクションコメディみたいな感じなのでその分リラックスしたタッチになっているのかもしれないが、しかし「青春墓場」シリーズ最大の美点であるあの切迫した緊迫感がその分随分薄れてしまい、展開は相変わらず面白いのだが、どうもまったりしすぎてしまっているような感じもする。

 活劇が錯綜し展開が激しくなっても切迫した緊迫感はあまり出ず、妙にくだけたアクション喜劇映画のわりとありがちなパターンにはまっていくのが惜しい。

 大森南明は中々凶暴な男を好演しているし、臼田あさみも意外とノワール映画が似合っているのにだんだん中途半端なアクション喜劇になって行ってしまうところは少々残念だったりする。

 しかしそのリラックス感が安定した余裕にも感じられるところもあり、安定したノワール喜劇アクション映画という感じではあり、リラックスしたタッチとなったことが一概に悪いとは言えないところもある。

 最高傑作な商業映画デビュー作、とはとても思わないし独特の緊迫感描写が弱まったのは残念だが、それでも監督の個性がよく出てはいる一篇。

2012/11/26(月) 12:56:54 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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