0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ランパート 汚れた刑事」

 
ランパート 汚れた刑事 [DVD]ランパート 汚れた刑事 [DVD]
(2012/10/05)
ウディ・ハレルソン、シガニー・ウィーバー 他

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 オーレン・ムーヴァーマン「ランパート 汚れた刑事」、


 ウディ・ハレルソンは暴力警官として無茶な行動を取って来た男で、人種差別的なところもあった。

 家庭生活では妻と娘がいたが、別れた前の妻にまで未だ寝ないかと迫っていた。

 ある時車をぶつけられ、怒ってぶつけて逃げる相手を追いかけて散々な暴行をするが、その様子がビデオに撮られていてマスコミに流れ問題化する。

 ロス市警の査問委員会でも問題視され尋問されるが、そのことで家族にも迷惑がかかり、妻には離婚を言われ、娘たちもいじめられだして父とは疎遠になる。

 その後ハレルソンは強盗事件に遭遇した際、金を奪い偽装工作をするが、それがバレはじめる。




 

 ジェームズ・エルロイ脚本の(監督と共同脚本)汚れた警官を描いた映画。

 ハレルソンは一昔前なら幅をきかせていた暴力警官で、私生活も警官としても無茶苦茶な奴だが、暴行現場をビデオに撮られマスコミや警察内で問題になってから、どんどん堕ちていく。

 この警官はかってのエルロイのホプキンス刑事シリーズのホプキンスを彷彿とさせるが、別に事件を解決するようなヒーロー的なところはまるで描かれず、ただハメられて堕ちていく姿が描かれていく。

 離婚した妻にも罵られ、娘たちにも引かれ、私生活も警官としても最悪の状況に陥ってく姿を描いている。

 まあ、あそこまで無茶苦茶なことばっかやってれば、そりゃ自業自得だろと思えんでもないのだが、それでもどこか正義のために戦っているうちに身を持ち崩した男の凋落をアベル・フェラーラの「バッドルーテナント」のように捉えていて、いわばかってのエルロイのホプキンス刑事シリーズと「バッドルーテナント」が合体したような映画である。

 地味な映画だが、シガニー・ウィーバーにスティーヴ・ブシェミ、ネッド・ビーティにアイス・キューブなどなどわりとかって一時代築いたような役者陣が脇を固めている。

 刑事アクション映画の醍醐味はなく、ただひたすら時代錯誤になった、正義感はあるが汚職もやってきた暴力警官の、ノワール的とも言い難いほどにひたすら堕ちていく現実を描いた佳作な一篇。
2012/11/25(日) 13:23:56 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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