0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「どじょっこの歌」

 滝沢英輔「どじょっこの歌」、

 医者の息子の高橋英樹はちょっとだけ道楽息子だったが、いつも教会の保育園から女性の「どじょっこの歌」が聞こえてきて、その歌声に聞き惚れていた。

 だがある時家の経営する病室からその歌声が聞こえてきて、歌っていたのが孤児から先生になった浅丘ルリ子だと知る。

 二人はすぐに仲良くなっていき、高橋は浅丘にプロポーズするが、その後高橋の家に行った折、家柄の違いや孤児差別を暗に浅丘は受け家を出てしまう。

 それには高橋が怒って家出するが、高橋の兄のはからいもあって高橋はアパートにて一人暮らしすることとなる。
 
 そこに高橋は浅丘を招き抱こうとするも、浅丘は結婚するまでは純潔を守ると言って去っていくが、だがその後教会で兄のように慕う男に寝ている間にレイプされてしまう。




 日活のお涙純愛映画。

 浅丘も高橋もいかにも日活青春スターな演技をしているが、もっと簡単にかたずきそうな話がややこしくなって悲劇的結末を迎えたことを高橋が回想しているという感じの映画である。

 浅丘が孤児差別されてからおかしくなる話なようで、実際には高橋がアパートを親の金で借りた時に浅丘がそこで普通にカップルらしく暮らしていれば何の問題もなかったのに、処女性にこだわったがためにおかしくなる話で、純潔を守りたいから高橋の部屋から浅丘は離れたのにその夜兄と慕う男に浅丘はレイプされてしまい、「処女じゃなくなった」から浅丘は高橋の前から姿を消し行方をくらまして苦労することになる。

 って、何をいい年して処女なんかにそこまでこだわらなきゃいかんのか…とも思うが、しかし高橋が何とか浅丘を探し出してハッピーエンドかと思いきや、浅丘がレイプされたことを高橋に告白すると、高橋はなんとレイプした男に怒るのではなく、浅丘が処女じゃないことに落胆し怒りだすのである。(苦笑)

 浅丘がどれだけ酒飲まされて寝ている間の出来事だと説明しても、処女であることが最大の価値である高橋は「そんなの同じことだ」と言い出すのである。

 まあそりゃこんな、恋愛禁止のAKB48のメンバーに恋愛が発覚するとファンやめるようなアイドル幻想だらけのヲタクよりひどい処女幻想に囚われている高橋のような男が相手じゃ浅丘も姿を消すわな・・・とは思わす展開になっている。(苦笑)

でも純潔を守りたいと浅丘に言われたんで処女幻想に高橋は囚われだしたとこもあるで、これはいわば「俺がヤリたいのを我慢してたのにお前だけやりやがって・・・」という下半身の怒りにも思えるのだが・・・。

 結局この処女をめぐる話のために浅丘は苦労し病気になり、最後はいかにも純愛悲恋映画のように終わっていくことになるが、まあなんというか結局間抜けな話だなと思えんでもない映画である。(苦笑)

それでも高橋や浅丘の日活青春スターの味は出ているし、感じのいい映画のテイストはある一篇。



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2012/11/16(金) 14:21:27 日活 トラックバック:0 コメント(-)

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