0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「日野日出志のザ・ホラー 怪奇劇場 恐怖列車」

 
日野日出志の怪奇劇場 恐怖列車 [DVD]日野日出志の怪奇劇場 恐怖列車 [DVD]
(2005/03/02)
日野日出志

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 坂本一雪「日野日出志のザ・ホラー 怪奇劇場 恐怖列車」再見、

 ある日少女たちが電車に乗るが、その電車は事故に遭い多くの死者を出したことがテレビのニュースで伝えられる。

 だがその後死んだはずの少女たちの日常が描かれていくが、それは悉く歪なもので、急に目玉が取れたり、ゾンビのような者たちが襲って来たりと混迷を極めていく。

 少女らは怯えながら逃げるがしかし次々と異常な事態に直面していく。



 

 

 日野日出志原作のホラー映画。

 日野日出志の漫画は何と言ってもあの独特の普通の日常すらどこかグロテスクな画風のインパクトがかなり強いものだが、それを21世紀になってからの普通の日常で、話の筋だけ持ってきていじくり回してもどうにもならないことの典型のような映画である。

 おまけに冒頭の少女間の日常の描写もどうも間が悪くギクシャクした描写で、まあ途中からの彷徨う死者の世界のような少女たちの日常がギクシャクしているのは必然と言えるが、それにしてももうちょっと描きようがあるだろうと思えるほど、ただひたすら混乱しているばかりの描写だったりする。

 途中死者が襲い掛かってくるシーンも意図的にありきたりなゾンビ襲撃の描写のようになっていて、なんだか色んなホラー映画のパターンを当てはめているような退屈さを感じさせる。

 日野の作品の中ではわりとミステリアスな要素の強い作品だから、それをこのように混乱した幻想譚のように描いたのかもしれぬが、まあ幻想譚と言えば聞こえはいいが、ただひたすらごった煮になって混乱しているだけのようなメリハリのなさが派手な描写が多いのに感じられ(苦笑)どうにも拙い出来としかいいようがない。

 日野日出志の原作を映画化する際に留意すべき点をまるで考慮していない上に、映画版としての魅力も描写の拙さゆえにあまり出ているとは言い難い残念な一篇。
2012/11/14(水) 14:12:45 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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