0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

追悼 ジョナサン・デミ



ジョナサン・デミ監督が亡くなった。

世間的にはやはり『羊たちの沈黙』の監督ということになるだろうし、実際出世作だと思うが、初期のロジャー・コーマンのニューワールド・ピクチャーズ作品も中々良かった。

特にカーアクションシーンが良かった『クレイジー・ママ』や、ピーター・フォンダ主演の実に70年代B級アクション映画らしい佳作『怒りの山河』などはとても好きな作品である。

またトーキングヘッズのライブドキュメンタリー『ストップ・メイキング・センス』もひたすら飽きさせない面白さで、デヴィッド・バーンを魅力的に捉え、かなり良かったが、この手の音楽系の作品には『Neil Young Trunk Show』や『ニール・ヤング/ジャーニーズ』などもある。

思えば『サムシング・ワイルド』のコメディタッチには、かってのスクリューボールコメディの80年代版的趣きも少しあったが、音楽をジョン・ケールとローリー・アンダーソンが担当し、主題歌がデヴィッド・バーンで、ザ・フィリーズが素人バンドとして出てきて演奏してたりと、こちらにもニューヨーク・ニューウェイブ系音楽映画的要素があった。

しかし『羊たちの沈黙』のインパクトが世間的に大きかったからか、その後監督作は多いが、『羊たちの沈黙』の監督というハードルの高さが災いしてなのかどうか知らぬが、劇場未公開のビデオストレート作品が多くなった。

それでもヒューマンドラマ『フィラデルフィア』も、『影なき狙撃者』のリメイク『クライシス・オブ・アメリカ』なども悪くなかった。

その他『レイチェルの結婚』や、TVでルイ・ジュールダンが犯人役の『刑事コロンボ/美食の報酬』なども撮っていた。

やはりデミ監督は基本うまい監督だったのだと思う。

ジョナサン・デミ監督、ご冥福をお祈り致します。







2017/04/29(土) 00:05:49 R・I・P トラックバック:0 コメント(-)
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