0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「女縛師・静香 飼育」

富岡忠文「女縛師・静香 飼育」、

川上ゆうは父親に軟禁され、一人では外出できなかった。

だがある日、緊縛ショーで縛師・静香=水城奈緒と出会った川上は、水城に会いたくて家出する。

水城と楽しく過ごす川上だが、家出に気付いた父は部下を使い行方を追う。

川上は女縛師の水城の縛りが気に入り、水城も川上に優しく接していたが、川上の父の放った追手にして元は水城の彼氏だった男に川上は連れ去られる。

水城は川上を奪還しようと、川上の父の家を訪ねるが。




女縛師を描いた作品。

一見短絡なSM系レズドラマに終わりそうで、さすがは富岡忠文監督作らしく、父に縛り付けられた人生を生きる川上ゆうの心理が、理想的な縛り縛られという心理的関係によってほだされていくプロセスを丁寧に描いた作品に昇華させている。

縛師の水城自体も師匠格の男に縛られる側に回って日々学習しており、異様な親子関係から萎縮してしまった川上の心理を、縛り縛られの関係が癒していく展開を通して、傲慢な父親の共依存から解き放つまでを描いている。

終盤は多少活劇展開にもなるが、クライマックスの盛り上げ方としては悪くない。

川上ゆう、水城奈緒両方が好演しており、短絡なお話にはなっていないところがいい、人物の心理面をわりと辿って描いている、佳作な方の一篇。 2016/04/30(土) 00:04:23 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)
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